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プリンセスハーレム https //www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ280657.html 【処女】 フローライト(騎士姫) 【非処女】 チャロアイト(ビッチ・チュートリアル担当) アズライト(彼氏持ち) 調教シミュレーション 後ろ盾のない王子が政略結婚にきた3人の他国の姫を調教で堕として後ろ盾にしようとするお話 15日で3人堕とせるバランスなのでコツを掴めばすぐ終わる チャロは普通にビッチと書いてたから諦めていたけど、アズライトも非だったのはガッカリ エンディングはBadが2つ、個別が各1つ、ハーレム1つ、そしてハーレムと同じ条件で寝取らせENDという誰得が1つ(^q^) 製作中の次回作に期待
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375通常の名無しさんの3倍2018/12/13(木) 20 52 24.99ID 3oso0e450 キラ「僕はそんなに得意な方じゃ…」 アムロ「いや、キラも出来る方だろ?他人の花嫁やら彼女を寝とることに関しては」 キラ「それ運動?」 アムロ「しかもベッドの上で」 キラ「………… いやそれなんかおかしいから!運動じゃないから!」 376通常の名無しさんの3倍2018/12/13(木) 23 12 09.18ID H+z0CRiPO キラなら拳銃に拳銃ぶつける投擲が得意なはずだが 377通常の名無しさんの3倍2018/12/14(金) 13 21 23.89ID 4ZvKBgSA0 378 キラの彼女って誰かしらね? もしかして複数の女性の方と関係持ってたりしておりますか? 378通常の名無しさんの3倍2018/12/14(金) 13 58 09.84ID 8ZzumJv80 377 カミーユ「複数の女性と関係持ったらいけないのか!?」 アムロ「全くだ………と言いたいが、カミーユにはまだ早い。持つとしても2~3人位だな 俺は目的達成にはまだ及ばないとだけ言っておくが」 シン「あんた達って人は…… 俺も!?いや俺は違うよ。第一ステラとマユは妹分みたいな感じだし、パーラはバイト仲間だし、メイリンは幼なじみみたいな感じだし、ルナマリアは(ry」 セカイ「みんなガンプラバトルを通じて得た友達だ!」 380通常の名無しさんの3倍2018/12/14(金) 20 57 15.95ID kxz+vdyi0 バナージ「全く、無自覚にハーレムを」 ドモン「お前が言うな!バナージも十分にモテてるだろうに」 アセム「そ」 ベルリ「いやお前が一番言うな!」 381通常の名無しさんの3倍2018/12/14(金) 21 46 42.94ID td28Gl9x0 ガロードすげぇよな 世界観の関係もあるかもしれんが、エニルの色仕掛けにもパーラのおっぱいにも見向きもしないし 382通常の名無しさんの3倍2018/12/14(金) 21 50 39.98ID 3IDHPaNm0 寧ろ、あの世界で一筋というのが凄いと思う 383通常の名無しさんの3倍2018/12/15(土) 01 03 01.30ID vr5RN4y50 D.O.M.E「そんなガロードが鼻の下を伸ばした女性というか、そのシーンが」 ガロード「ワー!ワー!ワー!」 D.O.M.E「ティファに出会う前だから仕方ないとはね。ちなみに」 ガロード「それ以上言うなぁぁ!」 ヒイロ「俺のゼロを貸そうか?」 トロワ「いやここは俺のヘビーアームズか?」 ガロード「何でもいいから高火力な武器で一掃してやる!」 384通常の名無しさんの3倍2018/12/16(日) 11 10 51.37ID kWDO1kGP0 ヒイロ「せっかくなので未来の嫁さんがどうなるのかゼロで予測してみた」 ガロード「何が、せっかくなのかわからないけど」 ヒイロ「まずはネタにしやすいシンから」 第一夫人 ステラ 第二夫人 マユ 第四夫人、同じ職場仲間のパーラ 第五夫人、アスランはどうしたの?な幼なじみかもしれないメイリン 彼女から愛人へと…身体だけの付き合い、それってセふ:ルナマリア ヒイロ「全くシン兄さんも困ったものだ」 ガロード「いや突っ込みどころ有りすぎ!」 レイ「気に(ry」 ヒイロ「ちなみにレイも含めてみんな仲良く一緒に暮らしているとの予測だ」 385通常の名無しさんの3倍2018/12/17(月) 12 40 58.58ID qCm8bf3b0 セカイ「第三夫人が抜けてるのは何でだ?」 セイ「え、そこ突っ込むの?」 ウッソ「自分だって第四くらいまでいそうなくせに… それはそれとして第一、第二と第四夫人の間に格差があるってことですかね?」 388通常の名無しさんの3倍2018/12/18(火) 09 17 37.82ID 9mtgMwGy0 三日月の場合、第一と第二が後に結婚という平和な世界 389通常の名無しさんの3倍2018/12/18(火) 10 54 36.07ID TOCyuwJO0 へい……わ? 391通常の名無しさんの3倍2018/12/18(火) 21 10 50.88ID /nLoGKm+0 393 平和だけどカオス先生な状態ってとこじゃね 同性婚なだけで……… 三日月「何か問題?」 ウッソ「いや、その…」 ステラ「みんな仲良しが一番!」 マユ「うん、そだねー」 ギンガナム「ただし漬物、てめーはダメだ」 392通常の名無しさんの3倍2018/12/19(水) 00 00 13.54ID MqmOACJw0 394 一番鈍感なのは誰だろう? 393通常の名無しさんの3倍2018/12/19(水) 02 34 49.39ID 5LTe0Jdv0 395 391 ロラン「そのキュウリのぬか漬け、僕の自信作だったんですがお気に召しませんでしたか?」ゴゴゴゴゴ 394通常の名無しさんの3倍2018/12/23(日) 17 53 26.56ID zO5Ff7MMO 392 ロランだろ 395通常の名無しさんの3倍2018/12/23(日) 18 13 47.85ID zO5Ff7MMO 396 393 ギンガナム「その鈍感ぶりが駄目だと言っている」ズズズズズズ 396通常の名無しさんの3倍2018/12/23(日) 18 26 18.09ID QX3phTdx0 395 ギンガナム「後は鈍感そうなのは」 セレーネ「何であんたが解説してるの?」 シュバルツ「そんなことはどうでもいい!」 ギンガナム「フリット辺りが鈍そうだな」 シャギア「マリナさんに夢中なだけにな」 オルバ「じゃあ次のターゲットは」 ギンガナム「暫くの間メインはフリットであーる。ついでにセカイの分も狙うから」 ロラン「ハイハイ……ところで」 ギンガナム「今度きゅうり漬ける時これを使ってみたらどうかな」 ロラン「これは……ちょっと試してみますね」 397通常の名無しさんの3倍2018/12/23(日) 19 31 44.19ID 9BG+9CEo0 ミネバ(UC0091)「ジュドーも大概な気がする」 エル「まああれは長○川補正って事で」 ルー「私はいいとばっちりよ」 プルツー「原作でも割と大概な気もするが…」 398通常の名無しさんの3倍2018/12/23(日) 22 28 59.49ID zO5Ff7MMO 東方不敗「ドモンよ、儂の流派東方不敗はそれほどボンクラだろうかお主は次元覇王流を立ち上げたからのう…」 ドモン「いいえ、覇王の流派はあくまで東方不敗!その全段階としての次元覇王流です。次の次元に行きたければ覇王の流派、東方不敗を教える所存です」 東方不敗「何と!そこまで考えておったのか!これは手放しで喜ぶ時がきたか!」 ドモン「それは早急かと、一番弟子にいたっては、他流をつまみ食いする始末…」 東方不敗「…そうか、なら、まだ死ねんと言う事だな」 link_anchor plugin error 画像もしくは文字列を必ずどちらかを入力してください。このページにつけられたタグ アセム・アスノ アムロ・レイ カミキ・セカイ カミーユ・ビダン ガロード・ラン ガンダム一家 キラ・ヤマト シン・アスカ ドモン・カッシュ バナージ・リンクス
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ハーレム?12 うpろだ1387、1397 話は2時間ほど前に遡る。 永遠亭には現在男性一名が収容されている。入院、ではなく収容である。 その彼が脱走したのだ。 これにたいそう驚いたのが、永遠亭の当主蓬莱山輝夜。 随分彼に良くしてやっていたものだから、逃げるとは夢にも思わなかったのである。 「イナバ、捜索状況はどうなってるの!」 効果音と集中線を伴いながら、輝夜が言う。 「機械化兎兵中隊二個で探索に当たらせています」 「少ないわ、もっと出しなさい!」 「いや、これで全力ですので」 黄昏時に竹林外まで遠征できる兎は少ない。 遠征能力のある兎でも、群れていないと食われる危険性があるので全く安心できない。 「永琳は何処に行ったのかしら、こんなときに」 「師匠は里まで出張しています。もうじき帰ってくると思いますが……」 「うーん、永琳が居ないと発信機が使えないのよね」 「いつの間にそんなの埋め込んでいたんですか……」 ため息をつく輝夜と鈴仙。しかし両者のそれの意味は大分異なるものであった。 「ただいま戻りましたー」 「永琳お帰りなさーい」 作戦会議の最中に永遠亭のブレイン、八意永琳が帰ってきた。 彼女が帰ってきたならもう安心。てゐの能力と合わせてポコロコ永琳となり、きっと彼を見つけてくれるだろう。 「姫、こんなの捕まえました」 「捕まえられました」 その手の中には奴が居た。どうやら早速見つけてきたらしい。 「どうしましょう。拓でも取りますか?」 「とりあえず、真ん中に持っていきましょう」 そう言って輝夜は彼の右手を取る、なので永琳は左手だけを持つ。 「なんていうか捕まったグレイみたいね」 「宇宙人にそんなこと言われるとは思わんかったぜよ」 輝夜の軽口に適当に付き合う。しかし、輝夜はそれ以上は付き合ってこなかった。 「それで、何で脱走なんてしたの?」 「脱走? 誰がそんなことしたんだ?」 全員の頭にクエスチョンマークが浮かぶ。 脱走したのではない? 「じゃあ何で居なかったの?」 輝夜が聞くと、彼は平然と答えた。 「いや、屋台から竹串の大量注文をもらったんで材料調達に」 そういう彼の右手には鋸と、背中の籠にはぶつ切りにされた竹が入っている。 「ああ、だから竹を選んでいたの」 「なあんだ、じゃあ姫様の早とちりだったんですね」 「あら私としたことが、しくじっちゃったわ」 一同大笑い。これにて大団円と相成りまする。 「……ところでその屋台って妹紅のじゃないわよね」 と言うわけには行かない。瞬時に場が凍り、皆の視線が一点に集中する。 「Oooooops!」 「ごまかそうとするんじゃないの!」 輝夜が頬を引っ掴んで伸ばす。輝夜は常々良く伸びるこの頬を気に入っていた。 「大体なんでそんなことやってるのよ」 「なんでって、シノギをみつけないと里で暮らせないでしょ」 里と言う言葉に、輝夜は更に激昂する。 「里? 何で里に行く必要があるの! ずっとここに居ればいいじゃない!」 「いやいや、いつまでもここで微温湯に浸りながら暮らすって言うわけにも行かないでしょう」 言うと、輝夜は愕然とした表情になる。 「そんな……じゃあここを出て何処にいこうって言うの」 「んー、それほど考えていたわけじゃなかったけど、慧音さんと妹紅さんが世話してくれるって言うからちょっと甘えてみようかと」 「永琳、ちょっと妹紅殺してくるわ。あとお願い」 言うや否や駆け出す輝夜。それにかしこまりましたと答える永琳。 「まあ体も良くなったみたいだし外に帰ってもって、あれ何処行った?」 彼は輝夜の足跡を即座にロストしていた。それだけ輝夜の移動速度が速かったということだ。 「とは言われたものの、どうしようかしら」 「師匠、やっぱりこういうときは再教育じゃないですか?」 「再教育ね、まあ自己反省と総括というのもたまにはいいでしょうね」 ゆっくりとした足取りで、永琳が近づいてくる。それと合わせるように鈴仙も近づいてくる。 「さて、何から反省させてやりましょうか」 「それなら軍隊仕込みのいいのがありますよ。これでもう逃げる気も無くすというのが」 ニヤリと口の端を吊り上げて哂う鈴仙。 「ウドンゲ、ウドンゲ」 それにひらひらと手を振りながら、軽い調子で永琳が言う。 「それは敵前逃亡兵が言う台詞じゃないでしょ」 さすが永遠亭一のSと言われる女。古傷抉りも躊躇が無い。 「大体こういうことなら私に任せておきなさい。オルグもアジもなんでもござれよ」 胸を張って言う永琳。確かにこの手のことは得意だろう。 「でも師匠大丈夫なんですか?」 「あら私のことを信用しないのかしら」 多少不機嫌そうに永琳が言う。鈴仙はそれに物怖じせずに返す。 「だってまだ地上の兎達を思ったより懐柔出来てないじゃないですか。てゐ頼りで」 「それを言われるとちょっとつらいわね」 永琳も兎の統括がてゐなのは事実なので反論はしない。、 「師匠、それに彼をオルグするなら私のほうが適任だと思いませんか?」 鈴仙がスカートを少したくし上げ、その真白い太腿を露にする。 「あらそれはどういう意味かしら」 永琳が腕を組み―無論胸を誇示するためにだ―鈴仙を詰問する。 「率直に言わせてもらえば、師匠はもう古いんですよ。ここは新しい人材に任せてください」 そういう鈴仙も、ネクタイをはずし、シャツの第二ボタンまでをあけている。 「私の何が古いって言うのでしょうねえ」 永琳は目を大きく見開き、まさしく威圧するように鈴仙を見下ろす。 鈴仙も鈴仙で狂気の瞳を常時強力に発動させ、永琳を狂わせようとしている。 永琳も狂気耐性があるが、その精神保護をトンネルするか大出力で破壊して発狂させようという魂胆のようだ。 「まずは今更自己反省とか言っている事ですねえ」 鈴仙は不必要に語尾を延ばし、煽る様に話している。 「あら、肉体オルグなんていうのも十分古いんじゃないかしら?」 永琳も声に十二分の威圧感をこめて鈴仙に言う。 この一声だけでも、一発殴られるよりもよっぽど精神に堪えるのではなかろうか、と言う声色だ。 「どうでしょう。誰がやるかによるんじゃないですか?」 鈴仙はあくまでも視線を外さず、永琳に挑戦的な目つきで言い返す。 「それは私が年寄りだといいたいのかしら? ウドンゲ」 言いながら永琳がゆっくりと傍らにあった鞄に手を伸ばし――そして戦闘が開始された。 「ひでえなこりゃあ」 その言葉のとおり、今永遠栄の一室は台風でも通過したような有様になっている。 主な原因は鈴仙の精神攻撃の余波が物理世界に侵出してきたのと、永琳の直接攻撃だ。 「なんか、今日はみんな性格が変わったみたいだな」 ぼやきながら、とばっちりを食わないように部屋の端のほうに移動する。 さてどうしたものかと辺りを見回していると、ちょいちょいと襖の奥から手招きをする者が居る。 はて誰かねと思い襖を開けると、てゐといくらかの妖怪兎がいた。 「なに、どうしたの?」 「ねえ、ミスティアの屋台にヤツメウナギ食べに行かない?」 てゐからの食事の誘いは奏珍しいことではない。今までもちょくちょく誘われては少しつまみに行っていた。 ただ、そのたいていを奢らされると言うことが問題なのだが。 「ん、そうだな、行くか」 きょろきょろと襖の内側を見て決めた。今ここに自分が居るのはあまりにも危険すぎると言う判断だ。 妖怪兎達も嬉しそうに飛び跳ねる。 「おごりだー」 「おごりだー」 「いや、奢んないって」 妖怪兎達が残念そうに飛び跳ねる。 「おごれー」 「おごれー」 「ああもう、一杯だけだぞ」 「みんな、いっぱい奢ってくれるって」 てゐによって単語の意味を刷りられると、皆から歓声が上がる。 「たくさんじゃないのよ、ひとつだけだって」 「さー行こっかー」 その歓声の意味を打ち消そうと手を振るがなんらの意味は無く、てゐは号令をかけて出発する。 仕方が無い、大した金額にもならないし奢ってやろうと財布を確認する彼。 これがてゐと駆け落ちしたと誤解される2時間前の出来事である。 ──────── Q 目の前に蓬莱山輝夜がいます。どうしますか? A 妹紅が燃やす前に逃げる。 「燃えろー!」 猛火が空気を喰う音と共に輝夜の体から勢いよく火柱が上がる。 妹紅のファイア16を食らって、すぐに輝夜は表面からこんがり炭と化していった。 「更に燃えろー!」 もう一発ファイア16を放つ妹紅。俺はと言うと、すぐ近くで頭を抱えてうずくまっている。 「とどめに燃えろー!」 妹紅がまたファイア16を使う。地面はぐずぐずに融け、あたりには嫌な臭いが広がっている。 周りにあった竹はすでに焼け、影も形も見えない。 それは輝夜も同じ事で、着物は無くなり、体も真っ黒に炭化している。 それを妹紅が蹴りつけると、グスリという音と共にあっけなく輝夜の体だったものは崩れていく。 何度か炭の塊を踏みつけ散らすと、妹紅はこちらを向いて歩いてきた。 なぜこんなことになったのかというと、だ。話は少し前に遡る。 激戦地となった永遠亭を離れ、てゐや妖怪兎と共にヤツメウナギの屋台にやってきた。 そこでは兎達が串の取り合いをした以外何事も無く、おおむね平和なものである。 しかし、その後が拙かった。喧嘩をする輝夜と妹紅に出会ってしまったのだ。 爆音と焦熱から嫌な予感はしていたし、回避行動はとったが、それも間に合わなかった。 そして接触したとき、輝夜は一瞬こちらに気を取られ、その隙を逃さず妹紅は輝夜を燃やした。 それが今の顛末だ。 「大丈夫だったか」 手を差し出しながら妹紅が言う。 危険に晒したのはお前だろうが、という言葉を必死で飲み込んで、妹紅の質問に首を縦に振る。 妖怪兎達は一目散に永遠亭に向かって走り去っており、すでにいない。 ここにいるのは俺とてゐ、妹紅に輝夜だった炭だけだ。 ちりちりと灼ける皮膚を無視しながら、ゆっくり立ち上がる。 「おかげさまで」 精一杯の皮肉を込め返答する。妹紅はそれでも満足そうに頷いた。 「怪我も無いね」 その問いにも頷いて返す。てゐも何事も無いらしい。 ただ、必死に腕を引っ張っているのはここから早く逃げ出したいためだろう。 俺を置いて行かないのは、置いて行ったとき永琳に何をされるか判らないからか。 「それじゃ、うちらは永遠亭に帰りますかね」 手を引っ張るてゐを先導に、一路永遠亭に向かって歩き始める。 そのはずだったのだが熱気にやられたか体がよろけ、地面に膝を着く。 多少驚いたが、頭がふらつくということはないし問題は無いと判断して立ち上がろうとする。 しかし、それを遮る様に妹紅が俺の体を突き飛ばす。 「ふらふらじゃないか! 本当に大丈夫か」 つくづくお前のせいだろうが、と思うが口にはしない。怖いから。 「ちょっと行けば私の家があるから、そこで休んでいこう、なっ!」 言いながら妹紅が俺の体を起こし、抱えようとする。 血走った妹紅のその目は、俺の心に恐怖心を植えつけるのには十分すぎた。 しかし、俺を抱き上げるという妹紅の目論見は成就することは無かった。 「だめよ妹紅、彼は渡さないわ」 ぞくりと背筋が震える。今確かに殺されたはずの輝夜の声は、全く真後ろからした。 輝夜の真白い腕が首に回される。そのか細い指が俺の喉笛を撫で上げる。 「た……確かに今死んだはずじゃあ」 「そうね、一回死んだわ」 そんなことは瑣末事だとでも言いたげな口調で輝夜が言う。 「でも、一回死んだだけなのよ。蓬莱人にはそんなのどうって事ないでしょう」 蓬莱人。そうだ、こいつらは不死化しているんだった。 なのに何で殺しあっているんだろう。無駄なのに。 輝夜は他方の手で妹紅の首を掴んでいる。 対する妹紅は俺が盾になってるために輝夜を燃やせずにいる。 「さよなら、妹紅」 そして妹紅の首元ゼロ距離で、弾幕になるはずだったものが弾けた。 「大丈夫だった? 妹紅に何か変な事されたりしてない?」 輝夜が俺の頭をがくがくと揺さぶる。傍らには首の肉の大半を削ぎ落とされた妹紅の死体が転がっている。 なんでもないと手を振り、肩を掴んで揺するのを止めさせる。 その動作に納得したのかは知らないが、輝夜は無事でよかったとでもい痛げに抱きついてきた。 「それでてゐ、こんなところで何をしていたのかしら?」 抱きついている最中に話と声色のベクトルが180度反転する。 話の矛先が自分に向くと、明らかに動揺した様にてゐは身をすくませた。 「え…、永琳様と鈴仙が喧嘩しているから逃げるついでに食事し痛たたた」 てゐの話を遮ってぎりぎりと輝夜のアイアンクローが炸裂する。 「私を差し置いて二人っきりで食事なんていい度胸してるじゃない」 「いや、他にも幾らか兔がいたぞ」 「あらそうだったの」 言って輝夜はてゐのこめかみから手を離す。 「そう。おかげで財布がすっかり寒くなった」 「なら暖めてあげようか。勿論働いてはもらうけど」 真横から声がする。同時に背中に荷重がかかる。どうやら妹紅が復活したらしい。 「離れなさい、妹紅」 輝夜が冷たい声で言う。 「お前とは話してないだろ。割り込んでくるな」 妹紅が返す。言いながら頬擦りをしているあたり抜け目無い。 「どうする? いつから働く? 別に明日からでもいいよ。もち住み込みで」 ごろごろと甘えた声を出しながら妹紅が言う。輝夜はその間に殺意を充填していた。 「うふふ、妹紅あなたどうあっても邪魔をしたいようね」 大量の殺気を振りまきながら輝夜が言う。 妹紅はそれをちらりと見ると、また俺の頬に頬擦りしてきた。 「いいから離れなさい! 邪魔そうでしょ」 「邪魔なのはお前のほうだろ」 返す返す言うが、俺は前から輝夜に、後ろから妹紅に抱きつかれている。 つまりは怒鳴り声がステレオで聞こえてくるということだ。 「あー、喧嘩するなら離れてくれ」 堪り兼ねてそう言うと輝夜と妹紅は素直に俺を放し、少し離れたところで相対した。 「妹紅、率直に聞いておくわ。あなた彼のことどう思ってるの?」 「明日にでも祝言を挙げたいと思ってる。お前はどうなんだ」 「すでに婚姻届にサインしてスタンバイしているわ」 そして二人でため息をつく。 「つまり私達は恋のライバルということね」 「そういうことだ。嬉しいな、殺しあう理由がまた増えたぞ」 息を整えるように一拍置くと、二人息を揃えたように叫んだ。 「人の恋路を邪魔する奴は!」 「馬に蹴られて死んじまえ!」 両者共に左足を前に出し大見得を切る。つかお前ら仲いいんじゃねえか。 「でもここに馬はいないので!」 「代わりにあんただ!」 『上白沢慧音!』 「誰が牛か!」 言うや否や妹紅の頭に強烈な手刀が振り落とされる。 憐れ妹紅は死んでしまった。しかし即座にリザレクションした。 「お前達はパンピーのいる前で何をやっているんだ!」 「恋の鞘当て?」 輝夜が小首をかしげながら答える。 その仕草が癇に障ったのか慧音は握り締めた拳を震えさせると、やがて諦めたように言った。 「もういい、奴はうちで預かる」 「ちょっと彼は永遠亭預かりよ。何勝手に決めてるのよ!」 「慧音、今日から泊まってっていい?」 三者三様のいいざまだが、その実俺は何処に居るなどと決めた覚えはない。 成る程、ということは連中の言う奴は別のところにいるんだろうなあ、と適当に現実逃避をしてみる。 「駄目だ。二人とも近寄っちゃならん。里に定着させる」 「何を言ってるのよ。彼はこのまま永遠亭で暮らすのよ」 「人間なんだから、人里で暮らすのが道理だろう」 ここまで何かを考え込んでいた妹紅が口を開く。 「じゃあ何で私も駄目なんだ?」 「なんとなく」 そのあまりといえばあんまりな答えに一同絶句する。 しばしの沈黙の後、妹紅がため息交じりに言う。 「幾ら慧音の言うことでも、こればっかりは受け入れられないな」 「ならどうするんだ、妹紅」 「当然、実力行使だ」 身構えながら妹紅が言う。同様に輝夜も戦闘態勢をとる。 すると慧音は腕組みをし、二人を傲慢に見下ろす構えを取った。 その戦いには似つかわしくない構えに二人とも攻撃するのを躊躇し、しばし様子を見る。 先に動いたのは妹紅だった。動かなければどうにもならないとでも思ったのだろうか、強力な火炎を放る。 それはすぐに慧音までの地面を舐めつくし、慧音もそれに飲まれるように見えた。しかし、 グ レ ー ト ホ ー ン 『!?』 二人が驚いたのも無理はない。なにせ慧音が何もしていないのに独りでに妹紅の火の鳥が消え失せたのだ。 「その程度で、この私が倒せるとでも思ったのか!!」 その迫力に気圧される様にじりじりと後ろに下がる輝夜と妹紅。しかし意を決したようにまたも妹紅が飛び掛る。 「明日の屋台には牛串焼きも並べてやる!」 こうして戦いの火蓋は切って落とされた。 「……もう無茶苦茶だな」 「今のうちに永遠亭に帰るウサ」 てゐが俺の腕を必死の形相で引く。 俺もそれに逆らわず、てゐに従って歩き始めた。 てゐとの駆け落ち疑惑まであと30分の時の事だ。 うpろだ1429 荒れ果てた永遠亭の一室に佇む女が二人。 両者とも荒く息をつき、その息がこの惨状を作ったのが誰であるかを物語る。 「ところで師匠、てゐは何処に行ったんでしょうね」 片方の女、鈴仙が目を見開きながら言う。 「さあ、そこいらにでも隠れているんじゃないかしら」 他方の女、褐色瓶を持った永琳が答える。 「でもあの人もいないんですよね」 「あらあの人だなんて随分親しそうな呼び方じゃない」 露骨に怒りを浮かべながら鈴仙の言に永琳が返した、と思っていると直ちに永琳は平静な顔に戻る。 それにつられて鈴仙も落ち着いた表情に戻った。 「でも本当に何処に行ったんでしょ。部屋で不貞寝でもしてるのかしら」 「それより外に出ていたら大変じゃないですか?」 「大丈夫よ、一応武装はさせてるから」 鈴仙はあまり結び付けたく無い事柄を言う。 「でもそれがてゐとだったら?」 「前言撤回。ウドンゲ、発信機の座標を逐次送信するからそこに向かいなさい」 「了解。直ちに現場に急行します」 永琳の決定は迅速だった。鈴仙もその決定に即座に従う。 かくして保護・捕縛作戦が開始された。 永遠亭へと続く竹林の道を、てゐと二人歩く。 「大丈夫かな、永遠亭に戻って」 きょろきょろと辺りを見回しながら言う。 「もう二人とも落ち着いてると思うよ」 てゐは随分と冷静なもので、涼しげな顔をしている。 永遠亭の門扉まで来たが、爆音轟音は聞こえず静寂としている。 「確かに、もう大丈夫なのかな」 「そうそう。そんな鈴仙がいつまでも対抗できないって」 楽観的にてゐが言う。 「今日は散々な目にあったな。風呂でも入って早く寝るか」 「その前に姫様のこと言わないとダメだよ」 それもあったかと思って、気が重くなる。 いくら向こうも共闘していないとはいえ、それでも全員等しく二対一なのだ。 たぶん何か言われるんだろうなあと思いながら、俺は永遠亭の門をくぐった。 永琳がどこかの部屋に行き、程なくして一つの大きな箱を持ってきた。 中に入っているのは受信機一式だという。 「それで師匠、何処に行けばいいんでしょうか」 ヘッドマウントディスプレイとインカムを装備した鈴仙が尋ねる。 永琳が答える代わりに、操作説明を行う。 「まずHMDの中央に光点が見える? それがあなたよ」 「はい、見えます」 鈴仙が問いかけに答える。 「それで、そのほかの光点が大きな生命体。赤い光点が目標、つまりは彼よ」 「えー、はい判りました。じゃあ少し離れたところにある光点が師匠なんですね」 「そのとおり。それじゃ行ってらっしゃい。いい報告を頼むわ」 そう言って永琳は鈴仙を送り出す。 そのとき鈴仙が気付いた。 「師匠、赤い光点があります」 「本当ね、近づいてきてるわ」 モニタの倍率を操作しながら、永琳が言う。 「もうじき敷地の中に入ってくるわね。迎えに行きましょうか」 「そうですね。これ外しちゃいます」 そう言って鈴仙がヘルメットを取り、救急箱を取る。 「あら用意がいいわね」 永琳がそれを見て言う。 「ええ、四部屋に一箱常備してるんです」 何かあったら大変ですから、と鈴仙。 「いい心がけね、それじゃあ行きましょう」 白衣を着ながら、隣のふすまから出てきた鈴仙と合流し永琳が言う。 「師匠、その白衣何か入ってるんですか? 妙に重そうですけど」 その問いに、永琳は得意げな顔をするとおもむろに裾を翻す。 するとブラックジャックよろしく、裏地にぶら下がっている注射器が露になる。 「師匠、その薬は何なんですか?」 冷や汗を書きながら鈴仙が言い、永琳が答える。 「国士無双の薬四積みよ。ほかにも賦活再生薬があるわ」 その異常な装備に、鈴仙は何も言えなかった。 「静かすぎるな」 それが敷地に入っての第一声であった。 あんまりにも静かすぎる。普段ならもっと兎達の騒ぎ声が聞こえてもいいのだ。 だのに今は何の音もしない。まるで墓場だ。てゐも黙りこくってしまっている。 「!」 不意に何処からか足音が聞こえた。周囲を見回すが、特に何も見当たらない。 てゐも怖がったのか、背中に隠れてしまった。 周辺警戒を厳にして徐々に玄関口に近づいていくと、足音が止んだ。 怪しんで進行をとめると、突然に永琳と鈴仙が現れた。 「じゃじゃーん」 妙な効果音付きで。 消えていたのは鈴仙の波長変化なのだろうが、この永琳のはしゃぎようは何なんだろうか。 「おかえりなさい」 あんまりにもあんまりな登場に驚きを隠せなかったが、もうまともになっている。 それに少し安心しながら、ただいまと返す。 何処に行っていたのかと聞かれて、屋台に呑みにと答える。 ここで呑めばいいじゃないと言われたが、ドンパチやってる横じゃ呑めないというと反省したようだ。 「あれ、でもあなた一人で呑みに行ってたの? 迷わなかった?」 「いや、てゐもいるよ」 言って後ろに隠れているてゐに出てくるよう促す。 おずおずと出てくるてゐの姿を目にすると、永琳と鈴仙の目の色が変わった。 「そう。ところでてゐ、あなたは何をしていたのかしら」 ぎりぎりと本日二度目のアイアンクローを永琳から貰うてゐ。 てゐがタップして降参の意を示すと、永琳は手を緩めた。 「それで何処に行っていたのかしら、二人っきりで」 あくまでも緩めただけで、頭から手は離さない。つまりは返答次第ではいつでも握り潰せるという事だ。 「一緒にミスティアの所に飲みに、二人じゃなくてほかにも幾らか痛た痛いぃぃぃ」 「いや、その辺で。輝夜にもやられてるから」 「あらそう……今姫は何処にいるのかしら?」 やはり頭から手を離さずに、永琳が聞いてくる。 「向こうで、輝夜妹紅慧音で正真正銘デスマッチやってる」 「仕方が無いわねえ。ウドンゲ、ちょっと姫を連れ戻してきてくれる」 「はい、わかりました。……ところで何処にいるんです?」 「向こうって言ってたじゃない」 鈴仙の疑問は真っ当なものだ。そんなもので居場所が通じれば苦労しない。 「いや、向こうとだけじゃあ。ちょっと案内してくれますか」 「多分近づいたら爆音がするはずだから判るわよ。いってらっしゃい」 「小康状態になっていたら判らないじゃあないですか。案内は必要です」 また永琳と鈴仙が小競り合いを始める。きな臭いことになる前に俺はてゐを回収して家に入った。 部屋に戻り、洗面用具や着替えを用意していると、徐々に辺りが騒がしくなってきた。 屋敷の一部に荒れがあったので戦闘があったようだが、そのせいで兎達が引っ込んでいたらしい。 今は戦闘も収まり、安心したようで皆普段の平穏無事を取り戻している。 活気があるのはいいことだ、と思いながら風呂に向かった。 この風呂は時間によって男女用に分かれる。今の時間なら男向けだ。 服を脱いで風呂場に入り、体を洗って湯につかる。 もうじき男女切り替わる時間なので早いところ上がらないといけない。 「畜生、今日は疲れたなあ」 思っていた事が思わず口から出てしまう。年寄りくさいとは思うが仕方が無い。 腕だけで体を支え、全身を湯に浮かべる。他に誰かいればこんなことは出来ない、一人だから出来る芸当だ。 「今日はなんだったって言うんだいったい」 ぼやいても一人。淋しいが人に聞かせられる話でもない。 適当に一人で遊んでいると衣擦れの音が聞こえてくる。 あれもう時間かと思うまもなく、からからと戸が開き誰かが入ってきた。 その人物はまだ俺がいることに驚いた声を上げることも無く、体と髪を洗っている。 俺はそれを誰何もせずにただ見守る。無視というほうが近いかもしれない。 どうやら体を洗い終わったようで、蛇口から水の出る音が消えると湯船に近づき、入ってきた。 「……恥ずかしがったりしないのね」 少し離れたところに入ってから数分後、話しかけてくる。その声と髪の色から永琳だと判った。 彼女は拍子抜けをした様な、期待外れだったとでも言いたげな様な声で言う。 「眼鏡外してると碌に見えないし」 視力0.1を切ると顔なんてまるで見えない。加えて湯気と湯の色もあるので体つきもほぼ見えないと言っていい。 色で誰かいるかの判断はできるが、それ以上の情報は目だけでは大分接近しないと得られない。 「そう、それじゃあこうすれば恥ずかしがったりするのかしら」 言いながら背中に密着してくる永琳。 「うんにゃ、気持ちいいとは思うが、恥ずかしいとは思わんねえ」 「ならずっとこうしていようかしら」 「まあのぼせないうちは構いやせんよ」 そう言ってやると、永琳は抱きつく腕にさらに力を込めてくる。 気にはしないが、こそばゆいのはどうにかならんかなあと思いながらされるがままになっていた。 多少経ってからまたからからと戸の開く音がして、誰かが入ってくる気配がした。 「あれ師匠、こんなところで何やってるんですか?」 入ってきたのは鈴仙であった。彼女は真っ黒い何かを右腕に抱えている。 訝しんだのは永琳も同じで、彼女に対して問いかけている。 「ウドンゲこそ何してるの? 今は男用の時間よね」 「姫をお湯で戻しにきたんです」 「……姫を? あら本当干からびてるわ」 何を言ってるんだろうかこいつらは。見えないのが非常にもどかしい。 「大浴場で戻すわけにはいきませんし、こっちに来たんです」 「まあしょうがないわねえ。本当は水から戻したいのだけど」 永琳がため息をつきながら言う。 「大鍋に入れるって言うわけにもいきませんから」 「そうね。姫が入ってたらみんなびっくりするわ」 いってけらけら笑う二人。取り残される俺。 そして着物を着たまま湯に投入される輝夜。なんとカオスな。 輝夜を放り込むと鈴仙はすぐに風呂場を出て行った。 混浴に慣れていないのだろうか。初心な奴め。 「はー、生き返るわあ、文字通り」 湯に漬けること数分、輝夜が復活した。その暢気な様に俺は頭を抱える。 「どうしたの? そんな顔して」 「蓬莱人って死んでる間も意識があるの?」 浮かんできた疑問を投げつけるとすぐに返事が返ってきた。 「あるわけ無いじゃない、死んでるんだから」 「そうそう。なんでそんなこと聞くの」 「いや、なんだか随分都合よく生き返るんだなあと思って」 俺の疑問に輝夜が答える。 「生き返りやすくなるときはあるわ、状況によって」 「状況ねえ」 半信半疑といった体で俺が言うと輝夜が続ける。 「そう、精神寄りの存在になってるから生き返りやすいな、って言うときに生き返りやすいのよ」 更に永琳も続ける。 「詳しいこと知りたい? それなら後で部屋に来なさい。準備して待ってるわ」 「あら永琳、手伝ったほうがいい? 一人で大丈夫?」 輝夜の提案に永琳は迷い無く答える。 「そうねえ、出来れば姫も一緒でお願いします」 どうにも二人何をしたいのか通じ合っているようだが、それがなにかが判らない。 とはいえまあ、問題というのは他の所にもありそうで。 「じゃあお風呂から上がったら永琳の部屋まで来てね。来なきゃダメよ」 あれよという間に俺のこの次の行動が決定させられてしまった。暇だからいいんだが。 輝夜がツツと近寄って来る。 「じゃあ上がるまでは」 近寄りながら言って来る。 「永琳みたいにさせてもらうわね」 そう言って座ってる膝の上に乗ってきた。 「輝夜、重い。着物重い」 言うと前と背中の両方から打撃が来る。 「女の子にそんなこと言わないの」 永琳が言い、 「じゃあ脱いだ方がよかった?」 輝夜が言う。 「いや脱がないでもいいよ」 生地が痛みそうだがどうなるんだろうか、と思うが俺の関与することでもない。 「そう、それじゃ抱きしめて頂戴、永琳がやってるみたいに」 言われるがままに輝夜の腰に腕を回し、力を込めてやる。 着物越しにも判る華奢な腰周りに少し驚いていると、輝夜が嬉しそうに言った。 「そうそう、ずっとそうしててね。いいって言うまで」 少しして輝夜が頭をこちらに預けて、目を閉じた。 永琳は仕方が無いという風な顔をすると、俺の体から手を離し輝夜の腰に手を回す。 そうして俺がのぼせるまで、永琳と二人で輝夜を抱きしめていた。 うpろだ1438 「永琳、○○が欲しいわ」 月の姫様は無理難題を仰る。 また始まった、と彼女は溜め息をついた。 「彼に会いたいなら、また連れてくればいいじゃない。いつものように問答無用で」 「手元に置いて、問答を愉しみたいのよ。ずっと。十日に一度は貸してあげるから」 「まったく冗談ばかり。……二日に一度」 「彼から習ったの。週一」 「その割には面白くありません。……週に三日」 「貴女ほどじゃないわ。……週一」 貸し出し交渉に粘るその身は一見、主従ともどもケチ臭いことこの上ないがしかし。 「……わかりました。では最初の五日間は姫の日。残りは私ということで」 「ふーん、5―2か。まあいいわ。たまにはイナバ達にも貸したげなさいね」 「御意に」 流石は月の頭脳、といったところか。 その後、人里から○○という男の姿が消えたのが次の日のこと。 さらにその後、輝夜が散々に彼を弄くり弄び味わいつくして、たまに弄られ五日間。 そのまた後日、永琳が良きこと良からぬことを、愉しみ愉しまれ愉しみ合い二日間。 その次の日、彼女は漸く騙されたことに気がついた。 「えーりん! 謀ったわねえーりん!」 輝夜は最初の五日間、彼を手にする。 そして永琳は残り。 だが彼女は、決して一週間のうち五日とは言っていないのだ。 足音も荒く踏み込んだ輝夜。 そこにはやたらに艶々とした部屋の主がいるだけで。 「○○は何処! さっさと出しなさい!」 両手には何やら得体の知れない道具の数々。 二日の充電期間(彼女は当初そう受け取った)の間に彼と愉しもうと準備した小道具である。 「○○でしたら、姫の下知の通り。今日は因幡たちに貸し与えていますわ」 「くっ……」 しれっと永琳はのたまう。 己の発言全てを手玉に取られ、彼女は。 「──くケええぇぇぇ!!」 それはもう、凄いことになった。 鈴仙・優曇華院・イナバは帰路を急いでいた。 師に命じられた使いを漸く済ませたところだった。 「うぅ、なんで今日に限って……」 今日は○○がイナバ達に貸し与えられた日だというのに。 ○○が永遠亭に引っ越し(ということになっている)て一週間。 輝夜と永琳の相手ばかりさせられていて、彼女らは挨拶一つろくに出来やしない。 せっかくの機会、だというのに。 朝方、貸出許可を告げられた彼女は同時にこうも宣告された。 『ウドンゲ、貴女は人里までお使いね』 波は一気に急転直下。 彼女は気づいているだろうか。 彼と逢えると言われた時の己が目に浮かんだ悦びに。 それを見て取った師の目に潜む粘ついた輝きに。 恐らく気づいてはいない、彼女は少し迂闊だった。 「ああ! もう夕方じゃない」 すでに半日が過ぎようとしている。 べそをかきながら、鬼気迫る勢いで仕事を終わらせた彼女ではあるが、それでも出遅れは如何ともし難い。 許された一日の、半分しか彼と一緒にいられない。 「……待てよ?」 しかしここでふと思いついた。 自分は今日の今まで大変に厳しい仕事をやらされている。 だというのに、その報酬ともいえる時間が半分とは余りにも酷い話だ。 その半分、イナバ全員に与えられた筈の時間。 その残り全部を自分が独占してもいい、いやそうするべきではないか? 「……うん、そうよね。私、苦労したし、頑張ったし」 イナバのなかでは一番偉いんだし。 それぐらいは許されて然るべき、寧ろそうするのが自然じゃないか? 残りの半日、つまり今夜は○○を独占。 その権利はある筈。 「うわ、うわ、どうしよ。夜に、○○と――」 二人っきり。 ちょっと遅めの夕餉を食べて、○○の背中を流して。 それから、それから。 夜で、一晩中なんだから。 一緒の布団に……。 「うわ、うわ、うわぁ――」 想像するだけで頬が火照った。 首まで瞳と同じ色に染まる。 どうしよう、恥ずかしい、けど。 でもそれは凄く、かなり――イイ。 もはや彼女の中では確定事項となったそのアイディアに後押しされ、弾むような足取り。 そのおかげもあってか夕日が沈む前に、彼女は永遠亭に到着した。 「只今もどりましたー、っと」 浮かれた兎、夢みて跳ねる。 その目は月など見ていない。 「あ、姫様。○○見ません、でした、か……」 少し注意してみれば察しはついたはずだ。 偶然通りかかった輝夜の、鬼気迫る様子が。 今、彼女の前でその名前を出すのがどれだけ危険なことなのか。 しかし残念ながら、彼女は少々迂闊に過ぎた。 「○○……」 「え、ちょ、姫様? 顔とかが怖いですよ?」 「○○を出しなさい」 「いや、私も見ての通り今帰って……」 「○○は何処だーーーー!!」 「ぴぎゃーーーー!!」 同刻、永遠亭の一室。 そこにはイナバがみっしりと詰まっていた。 その中心に男、○○がいる。 人型をとったもの、兎の姿のままのもの。 それら全てに枕か布団代わりにされて彼は埋もれていた。 朝からずっと食事中でさえも遊び構い続けて、漸く人心地ついた所なのだ。 イナバ達も大半が遊び疲れて眠ったり、あるいは静かに寛いでいる。 「……いま、鈴仙の悲鳴が聞こえたような」 「いつものことだよ」 流石に息苦しいのかややくぐもった声。 それに答えたのは彼が枕代わりにしているものからだった。 イナバ達皆が彼に身体を貸りている中で彼女、てゐだけは彼に膝を貸していた。 所謂、ひざまくらという体勢である。 「……それもどうかと思うけどね」 とは言うものの彼も助けに行こうとはしない。 以前の経験とそしてこの一週間で、永遠亭の日常と役割は概ね把握できるようにはなった。 そこに自分が入るとは、思いもよらなかったろうが。 「○○は、さ――」 「うん?」 ぽつりと、膝の上の顔を撫でながらてゐは呟いた。 凡庸な、取るに足らない人間の男の顔。今は。 「○○は、しあわせ?」 「んー……」 只の人間の癖にホイホイ誘いに乗って、やって来たは永遠亭。 そこで毎日毎日、輝夜の相手やら永琳の実験やらに付き合わされて。 今日だって動けなくなるまでイナバに引っ張りまわされて。 「輝夜の相手は楽しいし、永琳もあんまり無茶はしないし。鈴仙の愚痴だって酒の肴になる。 酒は旨いしメシも美味い。なんでこんなにも待遇がいいのか不思議だけど、それでもまあ――」 割としあわせだと、彼は笑った。 「それにてゐもいるし」 「……ふん、だ」 彼女の能力が故か、いやそれとも。 問い詰めれば聞きだせるだろう。 しかし、胸の上に乗せたイナバに引っ張られて「ああ、みんなもいるしな」などとニヤける彼に聞くのは癪だった。 そっぽを向いて紛らわすものの、その頬が僅かに赤いのはご愛嬌。 「馬鹿正直な人間は、嫌い」 「嘘吐きな兎は、大好きだな」 「~~~~っ!」 こんな風なことばかり言うから、彼女は彼が大嫌いだった。 ずんずんと近づいてくるプレッシャー。 殺気を感じ取り逃げ出すイナバ達に続いたてゐは、振り返っても一度だけ訊ねた。 「本当に、ほんとーに、しあわせ?」 「これから起こるだろう不幸が恐ろしく思えるくらいには、しあわせだよ」 ○○ただ一人となった部屋の前。 足音が、止まる。 襖が、開け放たれる。 「こぉこかあ~~~~っ!!」 一歩間違えれば死合わせだけど。 隣にあなたがいるから、まあ、倖せ。 結局、騒動の末に正式なローテーションが組まれることとなった。 輝夜が3、永琳が3、因幡に1の七日間を繰り返し。 ただし独占権は夕餉の後から次の日の朝餉までに限られる(それ以外はあくまで優先権)。 「なあ永琳、俺に休みは? 安息の日は?」 「あら、面白いこと聞くのね○○は」 「あの師匠、イナバの日に決まって私に仕事が入ってるのは?」 「あら、面白いこと聞くのねウドンゲも」 「判りきっていることに、答える必要があって?」 「……ですよねー」
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ハーレム?9 うpろだ1107 「なにしてんだ?」 慌てて飛び起きた。 「まっ――!」 「静かに。○○が起きちまうぜ」 魔理沙はさっきの霊夢と同じように○○の顔を覗き込む。 「あどけない顔してるなー。こうして見ると○○もかわいいな」 そして靴を脱ぐと○○の隣りに寝転がった。 「おー、お日さまのいいにおいー。こりゃ特等席だ」 「ちょ、魔理沙!」 「なんだよ、いいじゃないか。さっき霊夢だって同じようなことしようとしてたじゃないか」 「う……」 「それにまだ反対側に特等席は残ってるぜ。それじゃおやすみー」 目をつぶった魔理沙はあっという間に眠りについてしまった。一人取り残された霊夢は暫く考えた後、○○の隣りに寝転がった。 「……う、んん? そっか、少しだけってことで眠っちゃったんだっけ」 ○○が目を覚ますと両脇に誰かが眠っていることに気がついた。 まだ寝ぼけたままの○○は片方の人影に手を伸ばすとゆっくりと頭を撫で始めた。 さらさらと指にからまることなく絹のような手触りに○○は傷めないようにやさしく手を動かす。 撫でられている方も心地よいのか胴に腕をまわして首をこすりつけている。まるでもっと撫でてと催促しているみたいだ。 「んぅ……ふにゃ……にぅ」 子猫のような声を聞きながら○○はだんだんと意識がはっきりしてきた。 「……そういえば今頭撫でてるの誰なんだろ?」 視線を下に向けると胴に首をこすりつけている霊夢の姿が目に飛び込んできた。 「――!?」 驚いて頭から○○は手を頭から離してしまった。 「あ……やめちゃやだ……」 顔をあげた霊夢は自分を見つめている○○に気がつき、はっきり分かるくらい顔を赤くした。 そして二人ともしばらくぴくりとも動かなかったが、おずおずと○○が口を開いた 「えっと、霊夢?」 「○○」 「な、なに?」 「今言ったことは寝言よ。深い意味はないわ」 「で、でも今は起きてるし」 「いいの! そういうことにしておくの! ……そ、それでまた撫でてほしいんだけど」 そう言い終わると○○の方に頭を向けて目を閉じてしまった。 そのしぐさに苦笑した○○は頭に手を乗せて撫で始めようとしたが、反対側から服を引っ張られるので そちらに視線を移すとこちらも撫でてくれといわんばかりに見つめてくる魔理沙がいた。 「……魔理沙も起きてるだろ」 「何言ってるんだ? 私は眠っているぜ。そしてこれは寝言だ」 「はいはい、魔理沙も撫でて欲しいんだろ」 「ああ、頼むぜ」 ○○は二人の頭に手を置くとゆっくりとやさしく撫で始めた。 (ふぁ……ただ撫でられるのになんでこんなに気持ちいいの……?) (あぅ……のーみそとろけちまいそうだぜ……) どこか上気した顔でごろごろと擦り寄ってくるのを見て○○はまるでわがままな子猫だなと思いながら二人が満足するまで頭を撫で続けた。 新ろだ23 「突然ですが僕も身を固めることになりました」 「ほんと突然ね。急にどうしたの?」 「実はね、慧音様が…」 『お前も成人したんだ、生涯の伴侶を得るには丁度良い時節だな。 しかし、お前に想いを寄せる輩は人妖問わずゴロゴロしている。 誰にでも優しく接してしまうお前だからな、簡単には決められない だろう。そこで、掟破りの一夫多妻制を採ってみないか?責任は 私が取ろう』 「慧音らしくもない爆弾発言ね…で、一夫多妻制って言うからには 正妻と側室が付き物だけど、もう決めた?」 「それなんだけどね…」 ズザザザーッ 「お前の正妻を決めると聞いて速い音速で飛んできたぜっ!」 「あややややっ、これはスクープです、文句なしの大スクープ! そしてその話題の中心には、この私、射命丸 文がっ!」 「おぉ?久方ぶりに面白そうだから私も付き合うかねぇ~、酒の 肴にゃあちょうどよさそうだし」 「これは運命なのよ。彼の隣に立つ正妻、その名はレミリア。 永遠の紅い月、紅魔ことレミリア・スカーレット!」 「失礼ですが、お嬢様に彼は分不相応と言うもの。汚れ役として この咲夜が出向かせていただきます(お嬢様と言えども正妻は… 譲りませんわ!)」 「パチュリー様ぁ、大丈夫ですか~?」 「喘息が何よ、太陽光が何よ、何が何でも私は彼の隣に立つの!」 「むーっ!私一人でいいのに、美鈴までどうして来るのよぅ!」 「そりゃ決まってるじゃないですか、彼の正さ…ゴホン、妹様の お目付け役です(何回壊されても、穿たれても、私は負けません からっ!)」 「ねぇ、人形でごっこ遊びしていても面白くないから本当の夫婦に ならない?」 「この妖夢、半人前ですが全身全霊で愛させていただきますっ!」 「いやいや妖夢、私が彼を本当の愛の巣へと誘ってあげるのよ」 「い、いや、私は、紫様がどうしてもと仰るので…」 「隙間を弄らなくたって、あなたを虜にすることなどわけないわ。 退屈などない、刺激的な毎日にしてあげる」 「し、師匠がどうしても付き合えって言うから、えっと、その…」 「ウドンゲ、私が正妻になった暁にはあなたを彼の側室にするよう 取り計らってあげるわ。だから正妻は諦めなさい」 「イナバ、永琳、揃いも揃って主人に反旗を翻す気?私こそが彼の 正妻に相応しい姫君に決まってるじゃないの」 「ふざけろ輝夜っ!お前には絶対に渡さないんだから!正妻は私 一人でいい!」 「あら、私の夫になりたい身の程知らずな人間はこちら?いいわよ、 死ぬほど愛してあげる」 「四季さまぁ、ほんとにあたいも同行していいんですかね?」 「彼の側室になれば流石にサボることもなくなるでしょうからね。 そして何より私が正妻…」 「姉さんを側室にして私が正さ「穣子を側室にして私が正さ」」 「厄…一緒にいていくらでも取ってあげるから」 「人間~、正妻にしてくれれば毎日がテクノライフだよ~」 「せせっ、正妻ですか!?い、いけませんっ、私達まだ契っても いないじゃないですか!ああっ、駄目ですっこんなのっ」 「あーこらこら早苗、熱暴走しないの。早苗を娶るんだったら、 私らも側室にして頂戴」 「あーうー、ケロちゃん毎日大喜び!雨がなくても外跳ね回るわ!」 「空気を呼んで参上しました。正妻にするのですね、わかります」 「こら衣玖!抜け駆けするなと何度言ったら分かるのよ!」 「妬ましい、こんなにも想われるあなたが妬ましいわ」 「おや、萃香がいるのかい?気に入った、私も付き合おう!」 「お空、お燐、私が彼を地霊殿に迎えた時はあなた達を側室に するよう取り計らってあげるから…って、引く気ないわね!」 「そりゃあ~、当然じゃないですかぁ」 「毎日をメルトにフュージョンしたいんだもん!」 「お姉ちゃん達はほっといて…私のこと、お嫁さんにして?」 「凄く壮観な光景だな…」 「オーケー、いきなりだがこいつの正妻は私、霧雨魔理沙だ!」 『Boo!Boo!』 「やかましい!だが私もおと、もとい!女だ。側室の席も用意した。 残りの席が欲しかったら幻想郷の流儀に従い、スペルカード戦で私を 倒して行けぇぇーッ!!」 ゴッ!!←回し蹴りが綺麗に決まった音 「はぁうッッ!!」 「これで邪魔者は消えました。正妻には是非とも私を、紅美鈴を よろしくお願いしま」 ドゴーン←賢者の石 「ウボァー」 「役にも立たない門番なんかよりも私を選びなさい。知識は豊富 だし、今なら小悪魔もついてお得よ」 「パチュリー様ぁ~、嬉しいですっ」 プシュー←ぜんそくスプレーの逆バージョン 「くぁwせdrftgyふじこ!!!!!!!??????」 「これは運命なの、私があなたの正妻になるのも、あなたが私の 夫になるのも、全て運命のうちなのよ。さぁ、愛の口付けを…」 「だぁーめ!お姉様は『手垢』つきだからバッチくていけないわ! 495年も地下にいたけど、垢のない綺麗な私がいいよね!」 「ちょっとフラン、聞き捨てならないことを言ってくれたじゃない。 どっちが偉いか教えてあげるわ」 「ふんだ!壊れちゃっても知らないからね!いきなり喰らえー!」 「妹と言えども容赦しないわ、しばらく大人しくしてなさい!」 「この咲夜、従者の経験を生かして炊事洗濯、掃除に護衛と何でも できます。退屈も不自由もさせませんわ…」 「それだったら従者でも側室でも別にいいじゃない。そんなことは 全部人形がやってくれるし、それらを制御できる私なら言う事無しよ」 「そ、そうじゃなくて大事なのは真心ですよ!本人がやらなくちゃ 意味ないじゃないですか!幽々子様のお目付け役として続けてきた ことを、あなたに全身全霊でぶつけます!」 「そんなのだったら、咲夜とやること大して変わらないじゃない」 「…あなた達とは、一度決着をつけるべきかしら。すみません、 少々お時間を頂きます。この埋め合わせは後で必ずしますので」 「この二人を叩きのめしてくるからお茶の用意をして待っててね」 「叶わぬ愛など全然ない!お二人が相手でも負けませんから!」 「妖夢ったら、ぶつけてどうするのかしら。壊れちゃうかもしれない じゃない。まぁ壊れちゃったら、その時こそこちらに来て貰うのが 一番よねぇ」 「幽々子、彼はマヨヒガの我が家でこれ以上ない素晴らしい生涯を 送るのよ。貴女といえども、邪魔はさせないわ」 「西行寺様、紫様のご命令は絶対ですので。ご無礼!」 「永遠に咲かない桜の下で眠るがいいわ、亡霊の娘!」 「底なき隙間の闇の中に消えるがいいわ、紫色の妖!」 「わ、私は師匠の元で薬師として修行をしたし、輝夜様の面倒も 見てきたから、あなたの役に立てると思うの」 「あらウドンゲ、私を差し置いて下克上のつもりかしら?」 「月のイナバも随分と生意気言うようになったわねぇ。お仕置き してあげるからそこになおりなさい」 「普段暇そうにしているお前が言うか!あー、気にしないで。要は 私が正妻になればいいんだから」 「何か言ったかしら?妹紅。邪魔はさせない、今日こそ完璧に 死なせてあげるわ」 「実はあなたは非常に重い罪を背負っています。このままいけば 地獄確定どころか、存在そのものが消滅しかねません!対処法は 只一つ、私を正妻として…」 「四季様、それじゃただの脅迫ですって!」 「えぇーい小町、邪魔はさせないわ!そこになおりなさい!」 「きゃん!きゃん!(1UP)まだ何もしてないじゃないですかぁ!」 「黙りなさい、まだってことはこれから、ってことじゃないの!」 「中立公平な閻魔を自称する癖に色気違いね。私の向日葵畑近くの 別荘にいらっしゃいな。死ぬほど愛してあげるわ。そう、末永くね…」 「こんな危険度極悪指定の妖怪に着いて行ってはいけません。稗田の 娘が書き記した求聞史紀にも書いてあったでしょう?着いて行ったら 即地獄どころか消滅確定です」 「あら、閻魔様ともあろうお方が他人の誹謗中傷とはね。丁度良い、 そこのヘタレた死に神と一緒にまとめて苛めてあげるわ。少しの間 待っていなさい、後で存分に愛してあげる」 「あんた、あたいはともかく四季さまを見下すのはいただけないねぇ」 「すみません、少々お待ちを…これより四季映姫・ヤマザナドゥの 元、被告人風見幽香の裁判を行います!」 「このカニ飾り持ちの駄目姉「この芋くさい田舎っぺな愚妹」」 「ぱっと見て分かるくらい、今のあなたは厄に塗れているわ。私と 契れば、この厄から逃れられる」 「ちょっと厄神さま、人間は今それ所じゃないんですよ。私との テクノライフを楽しむための準備があるんで借りていきますねー」 「あやっ!駄目です駄目です、彼は私とお空の散歩、空中で夫婦の 契りを交わす…うーん、ロマンティック!」 「ごめんね、この二人をまず払いのける必要があるわ。終われば あなたの厄も大分薄くなるはずだから。その後で、ね」 「人間、これから素敵なテクノライフの邪魔者達を吹っ飛ばすから 首を長くして待っててねー」 「むむむ、これは大ピンチですか?否!これも愛の試練、見事に 乗り切って見せましょう!待っててくださいねー」 「こら、そこの蒼白地上人!私を天人と知って彼を寝取ろうなんて いい度胸じゃない!」 「私は風祝(かぜはふり)です!これでも現人神なんです!毎日が エクササイズです!そっちこそ天人だって言うわりには毎日毎日 暇してばかりで、何にも仕事しちゃいないじゃないですか!」 「ああーっ、地上人のくせに言ってはいけないことを!」 「だから現人神なんですってば!」 「総領娘様、事実ですので否定は出来ません」 「やっぱり!天人だって言うのに怠け者じゃ、あの人が振り向いたり するわけないんです!私は信仰集めに毎日忙しいんですから、愛を 囁かれる資格は十分、いえ十二分ですよ!」 「うるさいうるさーい!衣玖、あんたはどっちの味方なのよ!」 「あのお二人を相手にするとろくなことがありません。私と共に 天界へ行きませんか」 「って、シカト!?」 「こら、神の私らをシカトするとはいい度胸じゃないナマズっ子」 「ケロちゃん様はお怒りだー!ミシャグジ様もお怒りだぞー!」 「2対1、非効率的ではありますがお相手させていただきます」 「この生意気地上人!」 「この怠け者天人!」 「妬ましい…」 「まーまー、一杯やんなよパルパル。落ち着いて落ち着いて」 「誰がパルパルよ、ん…きゅう」 「さぁーて、邪魔者はいなくなった。どうだい、私と飲み明かさない?」 「こらゆーぎ!あんた私を差し置いて何やってんのさ!鬼たるもの、嘘と ズルはいけないんだぞ!」 「どーやらアンタとは決着をつける必要があるねぇ…鬼同士。来な!」 「お空、お燐、二人とも自重しなさい!」 「さとり様のご命令とは言え、譲りませんよーだ」 「フュージョン!フュージョン!一緒にフュージョン!」 「…再教育が必要かしら。二人ともそこに座りなさい」 「お姉ちゃん達のことはほっといていいから…ほら、早く契ろ?」 「こら、こいし!あなたも抜け駆けするのやめなさい!」 「あああ…何だか収拾がつかなくなってきた」 「ねぇ」 「うん?」 「私のこと、正妻にして?あなただったら、その…構わないわ」 「えっ…」 「霊夢、抜け駆け禁止!!」 「うっさい!私の邪魔をするなら叩き潰すまでよ!」 『死ねよやぁー!!』 「…はぁ。決まらないなぁ…」 幻想郷縁起・異変の項目に追加 神社崩壊変 某月某日、博麗神社に幻想郷の名だたる人間と妖怪達が殺到。 それから程なくして、同神社の半径百メートルが弾幕の嵐に 見舞われたという異変である。その騒ぎは通常の異変ならば一日で 終わる(※1)と思われたが、予想を裏切り三日三晩続いた(※2)。 被害は人里へは及ばず大したことはなかったが博麗神社が倒壊、 現在有志の元復旧工事が行われている(執筆終了後の現在復旧完了)。 嵐の中心にいたのは、湖近辺にそびえる紅い館の主でも冥界の 亡霊達が地獄へ旅立つ瞬間までを過ごす楼閣の亡霊嬢でもなく、 竹林の奥にある屋敷の姫君でもない。鬼でもなければ天界の天人 でもなく、妖怪の山にある神社の神でもなければ地底にある殿堂の 姉妹でもない(※3)。 寺子屋の上白沢氏の弟子である。 彼が直接何かをしたわけではなく、成人したことから身を固める ことを氏から勧められたと博麗の巫女に語った際、その会話に前途の 彼女達が反応、大集合となった。 当然丸く収まるはずもなく、彼女達の激情が神社の境内のいたる ところで炸裂、大喧嘩に発展。スペルカード戦に則って決闘開始、 そして今回の異変に至った(※4)。 上白沢氏の弟子の所在は現在不明(※5)、調査中とのこと。異変の 詳細を詳しく知る意味でも、彼の安否が気遣われる。 ※1) 長続きしないところから異変を起こした張本人は余程の暇人と推察。 ※2) やはり暇人の集まりである。その能力をもっと有用なことに使うと 言う選択肢はないのだろうか? ※3) これだけ並べられるほどの要注意人物、妖怪がいるということ。 ※4) 恋は盲目、近所迷惑とはまさにこのことである。 ※5) 決闘に使用される流れ弾に被弾した可能性がある。最悪死もありうるが。 「お待たせしました、夕飯の時間ですよ」 「ごめんね阿求さん、突然押しかけちゃったりして…」 「いえいえ、困ったときはお互い様ですから」 (このまま信頼を勝ち取っていけば彼と契るところまで…うふふふ) …この後彼の気配を嗅ぎ取った少女達が稗田邸に押しかけてきて ますますグダグダになるのは言うまでもないであろう。 新ろだ36 「ふぁ……」 夏の終わりを感じさせるような柔らかな日差し、秋の冷たい風が吹き抜ける博麗神社。 縁側に座る青年は欠伸を隠すことなく、目の端に涙を浮かべながらボンヤリとしている。 「あら、頭の中はすっかり春ね」 艶やかな黒髪に赤いリボン、特徴的な巫女服に実を包む少女が両手に湯飲みを持ち、青年の隣に座る。 ここ――博麗神社の巫女である博麗霊夢。 霧雨魔理沙と並ぶちょっとした有名人。 「ありがと……ふぁ……」 「この陽気じゃあ仕方ないわね……ふぁ……」 欠伸は移るというが、移ったようだ。 霊夢は目を細め、○○と言う青年を見る。 ―事故で迷い込んでしまったらしい。 ―どうもこの青年は眠るのが好きらしい。スキマ妖怪と気が合いそうだ。 ―料理も趣味でするらしい。趣味の域をでないよ、ははは。というのは本人の談。 ―ボンヤリとしている。 ―見様によっては“頼りないお兄ちゃん”に見える。 「……霊夢、どしたの?」 「ううん、何でもないわ」 二人同時にお茶をズズッと。 「あ~お茶が美味しい」 目を細め○○ 「お茶が美味しいわ」 同じく目を細め霊夢。 駄目だこいつら。早くなんとかしないと。 「こんにちわ~」 「早苗ちゃんこんにちわ」 傍目から見てもボンヤリとしていると分かる、○○の声。 「あら、何か用?」 「はい。大切な用事です。」 心なしか早苗の目に炎が灯っている。 「一体何かしら」 巫女の勘と言うべきか。その目は鷹のように鋭く。 「ふぁ……秋だなぁ……」 これから切って落とされるだろう巫女二人の舌戦など、まるで気にしないように独り言を呟いている。 巫女巫女が壮絶な睨み合いをしている頃、また乱入者が一人。 箒に跨る黒い帽子に黒いエプロンドレスの少女。 「邪魔するぜ……おっとぉ!」 「魔理沙もこんにちわ。今日はお客さんが多い日だなぁ~」 はい、お茶。と言い、湯飲みにお茶を注ぐ○○ 「お、サンキュー」 ズズッとお茶を飲む魔理沙。 「で、コイツは一体何なんだぜ?」 「ん……何?」 相変わらず舌戦を繰り返す巫女二人を尻目に、瞼が重たくなったのかほわほわとしている○○ 「まるで赤ん坊だぜ」 「俺赤ちゃんじゃないよ」 「だったらこんな時にうとうとしないぜ」 と言うのも、巫女二人が弾幕ごっこで決着をつけようとしているからだ。 「……痛ぁ……気持ち良いんだから仕方ないよ~」 もたれている柱に後頭部をぶつけ、お茶を飲む○○ 「それもそうか。私も眠たくなってきたぜ……」 コテン、と○○の右太ももを枕代わりに眠り始める魔理沙。 「魔理沙も人のこと言えないね」 と、今度は左太ももに重みを感じる。 何時の間に現れたのか、八雲紫が眠っていた。 「紫様がすまない」 「こんにちわ、藍さん。こんな日ですもん。仕方ないですよ」 二人を起こさないように小声で。 お茶を淹れたいが立ち上がれず、顔の前で両手を合わせる○○ いや、良いよ、と言いたげに手で制する藍。 彼女もこの陽気にやられたのか眠たそうだ。 「それより藍さんも一眠りどうです?」 「……紫様もこの様子だ。少しくらいなら構わんだろう」 ○○と背中合わせになるように座り、うつらうつらとし始める藍。 藍の膝の上には二本の尻尾を持つ黒猫がいる 「尻尾が暖かくて気持ちいい……」 この陽気を存分に吸い取った九尾の狐色の尻尾を堪能する○○ 今にも瞼が閉じそうだ 「そうか……それは良かった……」 藍と○○、肩をあわせるように眠り始めた。 ○○の手は魔理沙と紫の頭に乗せられている。 ○○・魔理沙・紫・藍の四人が○○を中心に惰眠を貪る中、二人の巫女は弾幕ごっこを続けていた。 ~~巫女巫女弾幕中~~ 引き分けとなった弾幕勝負。 お互いの服は所々破けており、その若さ溢れる柔肌を見せ付けている。 二人の目には、既に満員御礼になり、眠る○○達の姿。 「…………!?」 「…………!?」 二人同時に目を見開いたと思えば、残り一席を求めて駆け出す! 二人から○○まで約30メートル。 霊夢は並走する早苗に目をやる。 早苗の目から燃え上がる炎を幻視する霊夢。 「(……本気のようね)」 残り20メートル 今度は早苗が霊夢に目をやる。 「(流石です。ですが渡しません)」 残り10メートル 「「はぁっ!!」」 同じタイミングでお払い棒を打ち合う二人。 二人のお払い棒がぶつかり合った箇所には火花が散る。 そんな馬鹿な。 残り5メートル 「「今度こそ!」」 互いが互いの足を引っ掛け、ガッと音が鳴り、地を抉る。 残り4メートル ザッ! 止める事は困難なと判断したのか二人は踏みとどまる 「あら、今度こそ“弾幕”で決着をつける?」 「望むところです!」 空中に飛ぶ二人、今にも弾幕が張られようとしている。 スペルカードを取り出し、いざ…… 「……ニャーン」 お燐こと、火焔猫燐が猫形態で○○の膝の上で丸くなっていた 「「( ゚д゚)……」」 「「(つд⊂)ゴシゴシ」」 「「(;゚д゚)……」」 「「(つд⊂)ゴシゴシゴシ」」 _, ._ 「「(;゚ Д゚)……!?」」 「「( ゚д゚ )」」 コクリと頷き合った二人。 二人は懐からスペルカードを取り出し 「夢想封印」 「八坂の神風」 ちゅどーん!! うpろだ1236 ある日起きると穣子が静かな顔で枕元に座っていた。 しかしその気配は殺気に満ち、下手を打てば心中せんという勢いである。 何をそこまで怒っているのかと思うが、やはり身に覚えが無い。 仕方が無いので尋ねてみるとそこで寝ている女は誰かと言う。 横を見ると何時の間に入ったのか、同じ布団で眠る天子がいた。 早急に説明をしなければ酷いことになるのは目に見えている。 既に穣子の右手には煌く何かが握られており、事の深刻性を示していた。 ここは正直に天人で以前家を壊した張本人と話すべきだろうか。 だがそう簡単に信じてもらえるとも思えない。 天子が起きて自分で説明してくれればそれが一番いいのだろうが、生憎起きる様子が無い。 考えている最中にも右手のそれは序々に近づき、胸元まで迫っている。 これはいよいよ以って終わったかと思っていると、竜宮の使いが現れた。 有り難い事に彼女は期待以上の働きをしてくれた。穣子は判ってくれたようで、泣きながら謝ってくれる。 このようなときに現れる奴は引っ掻き回すだけだろうなと半ば諦めていたが、どうやら空気を読んでくれたらしい。 胸の肉は幾らか抉れており、あと少し遅れていれば大惨事だったろう。全く背筋が凍るとはこのことか。 穣子は反動の所為か稚児のように泣いたまま胸の中で甘えている。 しかし右手にはまだ硬く鋭いものが握り締められている辺り、依然怒っているのかもしれない。 その様を竜宮略は生温かい目で見ていた。 なお天子はまだ起きていない。 無事に家からの脱出を果たす。生きているというのはそれだけで素晴らしいことだ。 家で休んでいようというのは朝方常に考えることだが、まさか早く家を出たいと願う日が来るとは露にも思わなかった。 だが朝から一波乱あった所為で仕事をする気になれない。ずっと準備中にしている。 弁当も忘れたが里中に食いに行く気力も無い。余剰の炸薬でも川に放り込んで魚を取って食っていようか。 川下の住人やら河童やらから苦情が来そうだが、常用するわけでも無し一回こっきりと思って我慢してもらおう。 さて爆薬、雷管の準備をしている時に客が来た。 準備中としているのにやって来るとはどういう了見をした連中だろうと出てみると穣子御一行であった。 曰く弁当を持ってきたということだが、今日に限っては全く嬉しくない。 持ってこられた弁当のおかずは好物が多いが、寧ろ多すぎて不安にさせる。 しかもいざ食おうとすると箸を取り上げられ、右手にいた穣子に口を開けろと半ば命令される様に言われた。 恐らくこれはよく聞く奴をやろうとしているのだろう。勘弁してくれ。 凡そ地獄のような食事であった。 凄まじい緊張感の中、一つ一つ食物が口に放り込まれる。 茶を飲むのにも穣子が椀を持つ始末で、果ては口移しで飲まされるのではなかろうかと思えた。 それを見て面白そうだと思ったのか、天子も自分の口に桃を近付けてやれ食えと言ってくる。 しかもそれが水蜜桃なのだから性質が悪い。蜜で口の周りが気持ち悪いことになった。 食事の後、天子がどこかに遊びに連れて行けとせがみ抱きついてくる。 穣子はそれを射殺さんばかりの眼光で睨みつけている。 竜略はそれらをまだ弁当を食いながらただ黙って見ている。 生きた心地が全くしない。誰か助けてくれ。 仕事があるといって何とか追い返せた。 今なら言える。神は死んだ。 帰ってみると天子が穣子の膝の上に座ってくつろいでいた。 昼の剣幕はどこへやら、穣子も顎の下などを掻いて楽しんでいる。 時折天子が穣子の胸に頬を擦り付けて気持ち良さそうな顔をしていた。 何があったのかは判らないが随分な仲の良さだ。だが険悪よりよっぽど良い。 どうしたのかは聞かないでおこう、またいらぬことを思い起こさせても厄介だ。 それよりかは戻ってきた平穏を楽しんでおこう。 夕飯を食っていると天子が片膝の上に乗ってきた。こいつは膝の上が好きなのだろうか。 何か言うのも面倒なので、自分も頭を撫でてやりながら酒を呑む。天子はどうにも気持ち良さそうに目を細めていた。 それを見ていたのだろうか穣子が脇まで寄ってくる。催促する様に頭を差し出されては撫でるより他に無い。 幾らかの間撫で続けていると、頭を膝の上に乗っけて猫の様に丸くなった。 忘れていた天子のほうを見ると、こちらも肩に顎を乗せて寝息を立てている。 多少重いが仕方が無い、随分幸せそうな顔をしているのだからこれを起こすのは酷と言うものだ。 柔らかな荷重を受け、後に来るだろう痺れを恐れながら一息に酒を呷った。 うpろだ1273 ~アリス・マーガトロイド家~ 「うーむ、やっぱ酒はいいぜ。なんかこう、どうでも良くなってくるよな」 「人んちで食べ散らかす程にまでどうでも良くならないでよ魔理沙・・」 「いいじゃないか、久々に遊びに来てやったんだし、今日くらいは無礼講といこうぜ」 「・・いつもそう言ってるような気がするわ」 「ははっ、そうだっけ、覚えてないぜ」 「・・・あー、二人とも、ちょっといいか?」 「どうしたんだ○○?」 「なあに?」 「・・・何で俺まで居るんだ?」 ここに来てから、30分程経ったが、ようやく俺はツッコミを入れた。 そう、何故か俺は今、魔理沙と一緒にアリス家におじゃましているのだ。 「そこにお前が居たからだぜ」 「・・・・。」 「まあ細かい事は気にすんな。暇だったんだろ?」 「・・まあ」 俺がのんび~りと歩いてる時に遠くで魔理沙がホウキにまたがってこっち向かってるな~と思ったら そのまま低空飛行で、すれ違いさまに俺を攫っていくのは正直どうかと思ったが もうあえて突っ込まない事にした。いつもの事だしな。 「普通に聞こえてるぜ」 「う、うるさいな。俺は高所恐怖症なんだから本当に死ぬかと思ったぞ・・」 「あはは、あんた達ホントに仲が良いのね」 「よしてくれ。・・それより、ちとキツすぎじゃないか?これ」 「何言ってんだ、これくらいが普通だぜ、アリス、もう一本くれ」 何本目だ?魔理沙のやつ・・っていうかアリスもそれ以上魔理沙に飲ますなよと 1時間後 「なぁ~○○~」 「こ、こら、くっつくなよ魔理沙」 「キスしようぜキス」 「・・完全に出来上がってるな・・お前、酒弱いくせに呑みすぎなんだよ」 「私は強い方だぜ。ほらよ、んちゅー」 んぐ・・い、息が・・こいつ舌まで絡めてきやがった 「あ~こらぁ、魔理沙ずるいよ~」 そういいながらアリスが近づき、腕にしがみついてきた。 って、しっかりアリスまでおかしい事になってるじゃーありませんか。つか息が・・・ 「ぷはっ、酒くっさ!」 「ひどいなお前・・女性に言う言葉じゃないぜ」 「じゃあ次は私が――」 「はいはいちょっとタンマ。お前らストップ!」 「なんだよ○○、せっかく盛り上がってきたってのに」 「いや盛り上がってるのはお前らだけじゃないか」 「お前も両手に花だというのに贅沢なやつだな」 ぜぇ・・ぜぇ・・このまま好きにさせると何されるか分かったもんじゃない・・ さらに1時間後 「くかー、くかー」 魔理沙のやつ、結局酒に飲まれてダウンか。 …しかも俺の膝の上で。子供かよ アリスの方は、さっき若干おかしかった割には今はえらく落ち着いて紅茶を飲んでいる。 「魔理沙、完全に寝た?」 「ああ、こりゃ暫く目が覚めないな。」 「そう、良かった。」 「・・?」 かちゃん。とアリスは紅茶のカップをテーブルに置き、 俺の方へと近づいてきた。 ずぃ 「ねえ、○○」 顔近っ! 「な、なんでしょうか」 「魔理沙の事、どう思ってるの?」 「・・どういう意味でしょうか。(←ビビってる時は敬語)」 突然何を言い出すのだ 「どうって言われても・・お前もやっぱり酒で・・」 「酔ってないよ。私は最初から呑んでないもの。・・呑むフリはしたけど」 「なんだ、お前って酒ダメだっけ」 「そういう訳じゃないけど、シラフでいておきたかったのよ、今日は」 「なんだそりゃ・・」 「で?」 「な、なんだよ」 「どうなの?好きなの?」 いやだから顔が近いです。 「・・・」 俺は爆睡している魔理沙をチラっと目をやって溜息を混じりつつ答えた 「・・こいつは、いつもしょーも無い事にすぐ首を突っ込んでは面倒を起こすわ、人の言うことを無視するわで 色々苦労はしているが、一度何かやると決めたら最後までやるヤツなんだ。 それはアリスも付き合い長いから分かるだろ?」 「ええ、昔からそうね、魔理沙は」 「何だろうね。興味が沸くっていうのかな、こいつの努力が最後にどう結果をもたらすか。 まあそれに付き合って苦労はしてはいるんだが、こいつと居ると退屈しないね。 ・・好きかどうかはいきなり聞かれても分からん。あまりそういう風に考えた事無かったんだ」 「・・そう。」 「・・・」 そんな事を聞いてどうするのかと思ったら、 今度はまたおかしな事を聞いてきた。 「じゃあ、私と魔理沙どっちが好き?」 「はい?」 お前は何を言っているんだ。(ミルコ略) 「ま、聞くまでもないわね。あなたが魔理沙の話をした時の顔を見れば分かるわ・・」 「どんな顔だよ。」 「ふふ、爽やかな顔だったわよ」 …そんな顔してたのか俺。 「・・ねえ、さっきの続きしていい?」 「続きってなんだ?」 「言わせる気・・?さっき私できなかったから・・」 顔を染めながら目を逸らせて言う姿を見て何の事かを把握してしまった。 「できなかったから、何だよ・・」 「・・ずるい。」 「・・・」 「な、なに呆れたような顔してるのよ、いいじゃない別に~」 「・・お前あのときからずっとシラフだったんだよな?」 「ええ♪いいチャンスだったから勢いに乗ろうと思って、ね」 「・・どうしても酒が入ってない状態でしたかったの。忘れたくないから・・。」 「・・・私の我侭、聞いてくれる?」 「うーん・・」 「ダメなら、・・無理にとは言わないわ」 「・・分かった、お前がそれで満足するなら。・・だがちょっと心の準備させてくれ。 俺も殆ど呑んでないからもう酔いが覚めて今は思いっきりシラフなんだ。」 酔った勢いなら出来てたが、シラフ同士は流石に照れくさい・・。 魔理沙には酔った時に何度かされていたから多少は慣れていたが・・ ていうか、何でこんな展開になってるんだ? …俺は魔理沙が本当に好きなのか? アリスはどうだ?魔理沙ほど親しかったわけじゃないが、 今こうやって初めて二人で話してみたけど、これで前より気になってしまったかと言われて、 NOと言えば嘘になる。いやそれ以前にアリスの動きが色々とやらしいんだよ畜生。 ハッ!男なんて所詮そんなもんさ。ああ畜生。畜生だとも。 「こないならこっちから行くよ」 「え?・・んむ」 ちゅーっ ちょ、準備できてないのにいきなり。。 ちょっと・・深いっす。アリスさん そのままされるがまま押し倒される。 やばいな・・ こんなに気がはっきりしてる時のキスは初めてだから、 …頭がとろけそうだー 長いキスのあと、ゆっくり口を離され、ようやく開放された。 つつーっと、口と口が糸で繋がったのが見えた。 「ん・・ありがとう・・。」 「・・・いや。」 「私ね、あなたをずっと見ていたの。でもあなたの傍にはいつも魔理沙がいた。」 人形遣いが言うと背筋がぞわぞわっとするな・・。 「・・・だから私には入り込む隙間はないって諦めてた。 けど、やっぱり気持ちはだけは伝えたかったの。」 「アリス・・。」 「あ~、なんだか、身体が火照ってきちゃった。呑んでないのに。」 …これはやばい空気・・! 「ねえ。○○」 「お、俺、そろそろ帰るわ、夜遅いし、あ・・ははは」 「えー」 「またくるさ。今日はありがとな。菓子美味かったよ。」 「あ、コレ(魔理沙)も送ってってあげなさい。」 「え、もうこいつ起きないだろ」 「おぶってあげなさいよ、男でしょ?」 「・・いやこいつ飛べるから、目が覚めたらすぐ帰れるんじゃないか?」 「ああもう、まったく・・そんなんじゃフラれるわよ? ま、私はそれでいいけど。ふふ」 「仕方ないな・・んしょ。・・じゃあなアリス、おやすみ。」 「またね。もしフラれたら、いつでも私の所に来てね」 「・・・アリスゥ」 「あは、冗談よ。おやすみー」 ギィーバタン ~魔法の森~ まだ半分か・・。遠いなあ。 魔理沙はいいよな、寝てるだけで起きたら自分の家だもんな。 「くかー・・んーむんに、そいつぁ、めくるめく文鎮だぜ・・」 …何の夢見てんだ。 ったく、弱いくせに呑みすぎなんだよ、お前は。 飛べない俺にはかなり距離あるってぇのに・・・。 しかし重いなこいつ。ポケットに何かいっぱい入ってるみたいだが、それのせいか。 どうせどこからか盗んだり拾ったりした物だろうな。 …もうすぐか。 「うーん・・○○・・」 …起きたか? 「・・・いつも・・ありがとな・・むにゅん・・」 …寝言・・か。 『何だろうね。興味が沸くっていうのかな』『こいつと居ると退屈しないね。』 『じゃあ、私と魔理沙、どっちが好き?』 『ま、聞くまでもないわね。あなたが魔理沙の話をする時の顔を見れば分かるわ・・』 『私ね、あなたをずっと見ていたの。』 だぁーーー!! なんでさっきの会話が今、脳内再生されるんだ。。 「くー、くー」 …お前は、どうなんだ?魔理沙。 ただの暇つぶしの友達か? それとも・・ …こいつだけは本当に読めないな。 ポロッ 「あ。」 魔理沙のポケットからケースらしきものが落ちた。 カシャーン あちゃ、落ちた衝撃でケースから色々中身が散乱しちまった。 ん、これ・・ 魔理沙がヴワル図書館から本を盗んでる決定的瞬間が写ってる写真か。 はは、なさけねー 思いっきり誰かに見つかっとるやないか。 こっちは、博麗神社から饅頭を盗んでる瞬間だな。 記事にされる前にどうにかして例の鴉天狗から奪ってきたんだろうな。 ん?この写真だけ別で綺麗に紙で包まれてるな。 …これは、 俺と魔理沙が写ってる写真・・・か。 そういえば前に1度無理やり連れて行かれて共犯させられたな・・。 魔理沙・・・ 「・・ん、寒い・・ぜ」 魔理沙が、ぎゅっと力を入れてきた。 「んぐ、苦しい・・ぜ」 喋り方がうつっちまったぜ・・ あともう少しで魔理沙の家に着く。 まずはこいつを家に放り込まなければ。 …色々考えるのは、それからにしよう。
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ハァ、ハァ―――。 聖剣で思いっきり斬られたエルフの少女―――エリンは涙を浮かべて狼狽えながら、精一杯に叫ぶ。 「どういうつもりだよ、マサツグ……!」 「なんだその顔は。ふう、まるで俺が弱いものいじめしてるみたいじゃないか」 マサツグと呼ばれた男は動揺するエリンに大した感慨もわかず、やれやれと一蹴する。 最初はこのエリンを自分のハーレム要員のエリンだと思っていたマサツグだが、声や見た目や名前こそ同じだが性格が全く違う。 そしてハ・デスが口にしていた無数の世界という言葉を思い出す。 無数の世界―――それは異世界の他に並行世界(パラレル・ワールド)も含まれるのだろう。 つまりこのエリンはエリンであっても、マサツグの知るエリンではない。 だから決闘で生き残る為に邪魔なクズは排除することに決めた。やけに馴れ馴れしい上にツンデレ気取りなところも腹が立つ。 何も知らない輩にいきなりツンデレ気取りされても意味不明だし、気持ち悪いだけだ。 「本当にどうしたんだよ、マサツ―――グ―――?」 ザンッ! 必死に説得を試みようとする少女をマサツグは容赦なく殺した。 この決闘は殺し合いだ。そして生き残るためにマサツグは他の参加者を殺すことに決めた。 もしもこのエリンがこのマサツグの知るエリンなら、きっと違う展開になっていただろう。 しかしツンデレ気取りのエリンなんて不都合な存在は不要だ。だから遠慮なく殺した。 「……ん、エリンの別人がいるってことはもしかして俺の別人も居るのか?」 マサツグは自分と同じ顔や声をした別人がいることを想像して、顔を顰めた。 このエリンのように気持ち悪い性格の自分が居るとしたら最悪だ。 リュシアやシーもこのエリンのように、姿形だけ同じ存在がいるかもしれない。リュシアやシーと遭遇しても、自分に都合の良い彼女達か確認だけして殺すかどうか決めよう。 【エリン@異世界で孤児院を開いたけど、なぜか誰一人巣立とうとしない件(漫画版) 死亡】 【マサツグ様@コピペ】 [状態]:健康 [装備]:聖剣ソードライバー&刃王剣十聖刃&ブレイブドラゴンワンダーライドブック@仮面ライダーセイバー [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~5 [思考・状況]基本方針:他の参加者を殺して優勝する 1:並行世界の自分が居たら殺す [備考] ※ミヤモトやトリタ戦など主にコピペになっている部分が元となって生み出された歪な存在です ※「守る」スキルは制限により弱体化しています ※クロスセイバーの制限については後続の書き手にお任せしますが、複数人で掛かれば勝てる見込みがある程度には制限されています
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ハーレム?13 うpろだ1482 「なぁ、巫女って昔は情婦の役割だったってホントかな?」 「いきなり脈絡のないこと言いだすわね」 「だって二人の巫女さんが並んでるから何故かそんな記憶が呼び覚まされたんだい」 まぁ我ながらおかしなこと言ってるとは思うけどさ。 「でもそれはでキリスト教に因って迫害された中世の魔女ってことだったと思いますが……」 「……うちの神社には似たような変な決まりがあるけどね」 そう言って霊夢は早苗さんに巻物を手渡した。 「なんですかこれ? お賽銭の金額による巫女のおもてなし……二千円、参拝者にお茶を振舞う……二千五百円、参拝者に食事を振舞う……ふぇっ!? いいい、一万以上はっ!?」 「まぁ滅多にお賽銭なんて入れる奴なんていないから忘れていたわよ。実際蔵の中で埃被っていたし」 「はぁ……ま、いいじゃないですかこんな変なことしないで済んでいるんですから」 しかし霊夢は早苗さんの言葉を受けジト目で俺の方を見た。 「ここに十万叩き込んだバカがいるけどね」 「えええっ!? ○○さん本当ですかっ!?」 「えーと本当だけど早苗さん、俺の名誉のために言っておくがそんな掟俺知らなかったからね。知ってたらやらなかったし」 神社に居候させてもらっている身としては世話になっている霊夢に生活費ってことで里で手伝いして貰った給金を渡そうとしたんだが お賽銭として入っていたら霊夢喜ぶだろうなって思ったのが間違いだった。 賽銭箱にお金を入れて霊夢を呼んで中を確認させたその晩霊夢に神社の奥の部屋に連れていかれて部屋の中のもの見せられて絶句したし。 「ででで、そのまさか……」 「そう、そのまさかよ」 あっさり肯定すんな。 だってさすがにそんな無体なこと出来なかったけどせめて一万円分のおもてなしをさせろって聞かないし 最終的には軽く涙目で首輪つきの霊夢が『私なんかじゃ抱く気になれない……?』なんて言われたらさぁ、逃げる訳にもいかんだろ。女の子にそこまで言わせて逃げたらヘタレだ、ヘタレ。 そういう訳で俺と霊夢はその晩大人の階段を昇ったのだ。 「……ううう」 呻き声をあげてる早苗さんは勢いよく縁側から立ち上がるとズビシッて霊夢に指を突きつけた。 「じ、常識で考えてはいけません! お二人が、に、肉体関係を持ったとしても相性が合わなくて別れる人はいるんですっ!」 「あら、相性は良いみたいよ、私たち。お互い初めてでも○○はやさしくしてくれたし、果てる時はいつも一緒だし。一昨日も、ね?」 こっちに振るなよ。どう答えていいか困るじゃないか。 でも確かにシてる時の霊夢はかわいいし優しくしてあげたくなるし、未だに果てた時の表情が瞼に焼きついている。 確かに相性はバツグンだ。 「うううううう~……」 あー早苗さん涙目だよ。やっぱりこういう話苦手なんだろうか? そう思っていると後ろから声が聞こえた。 「あーやっぱり霊夢に先越されたか」 「あーうー、早苗は奥手すぎるんだよ」 「ふふふ、賭けは私の勝ちだね。ほら早く賭け金出しな」 いつの間にやって来たのか神奈子と諏訪子、それにもう一人緑髪の魔法使いみたいな恰好の人がいた。……だれ? 「あーこうやって姿を現すのは初めてか。私は魅魔。この神社の祟り神みたいなもんさ。よろしく○○」 「ああ、よろしく……」 「み~ま~! あんた急に出てきたと思ったら賭けごとなんかしてるんじゃないわよ!」 怒る霊夢を余所に神様達はまた賭けの話をしていた。 「じゃあ今度は○○が誰を娶るか賭けようじゃないか」 「いいよ~。私はまた早苗にする。とりあえず一万!」 「私も早苗にだね。五万」 「か、神奈子様に諏訪子様! 勝手に賭けの対象にしないでください!」 そこに魅魔様がとんでもない爆弾を落としてきた。 「……そういえば娶るなら一人だけじゃなくてもいいんじゃないか? そこの早苗って娘が言っていたじゃないか。常識に囚われるなって」 「……そうだね。昔は長が何人もの女性を抱えていたし」 「あーそういえばそうだったね」 マズい。話がヤバい方向に進んでいる。俺はこの場から逃げ出そうとしたが勘付かれていたらしく神奈子と魅魔にしっかり取り押さえられた。 「ふふふ、なら私も参戦させてもらうかね。久しぶりの若い男だ。たっぷり可愛がってあげるよ」 「あ、あのな、実を言うとそんなに経験はないんだ。やさしくしてくれな?」 「ちょ、二人とも本気ですか?」 「「ああ」」 ああ、俺の貞操の危機。他の三人に助けを求めようとしたら、霊夢も早苗さんも、ケロちゃんまで本気で俺を食べる気でいた。 俺を助けてくる神も仏もいないのか……。ここにいる神はみんな敵だし。 「ふふふ……私の舌使いは凄いよ~何分持つかな~」 「あ、あの○○さんっ! ふつつかものですがよろしくお願いしますっ!」 「……○○、私以外にイカせられたら許さないからね」 原人に狩られたマンモスのように五人に抱え上げられて神社の奥の部屋にドナドナされていく俺。 ……どこで選択肢を間違えたのだろうか? いや、たぶん最初からこうなる運命だったんだろうなぁ……。 はぁ、紫からもらったエビ○ス錠まだ残っていたかな……。 うpろだ1508 ある日の白玉楼、夕食時。 あの人の何気ない一言が、全ての始まりだった。 八畳程度の畳部屋の真ん中で、ちゃぶ台を囲んで夕飯を食べる三人。 庭師の私としては主と食卓を共にするのは少し不本意だが、 大勢で食べた方が美味いだろうという○○さんの意見と幽々子様の同意によって、少し前からこうして食べている。 「妖夢、おかわりちょうだい」 幽々子様がもう何度目か分からないおかわりを、これが二杯目だと言わんばかりに要求する。 最早私の背丈くらいになったおひつの蓋をよいしょと開き、中を覗き込んで─── 「…幽々子様、もうお米がありませんよ」 おひつの中は、数えるほどの米粒を残してほとんど空っぽになっていた。 「え~~~……」 「え~~~……じゃありません。ない物は出せません」 「今度からもっと炊いておいてよ。これじゃお腹空いて夜も眠れないわ」 「そんな事ばっかり言うからおひつがこんな大きさになったんでしょう…第一、幽々子様は毎回ご飯を食べすぎです。お米だって無限じゃないんですから、もう少し考えて───」 丁度その時、さっきから口を閉ざしていた○○さんが不意に笑い出した。 なんだか気恥ずかしくなって思わず顔を伏せてしまったが、何も私のことで笑ってる風ではないようだった。 「どうしたの?」 「いや、なーんか二人が親子みたいだなと思ってね…」 微笑ましいと言う風に私達を見る○○さん。その一言を聞くや否や、幽々子様は○○さんの腕を取って自分の腕と絡めて言った。 「あら、それじゃ私達が夫婦で妖夢が子供かしら?」 照れたようになる○○さんを見て少しムッとなる私。 …もう、幽々子様は○○さん相手になると慎みが無くなるのがちょっと…………羨ましい、です。 「い、いやいや。どっちかって言うと妖夢が母さんで幽々子さんが娘って感じかな…」 ハハハ…と笑う○○さん。……え?そそそそれじゃ夫は○○…さん?あ、いや、そんなまだ早いですよ私にも心の準備が… …と、私があらぬ妄想の世界へ身を浸している隙に幽々子様は新たに一手を指していた。 「あら、○○が子供っていうのもいいんじゃない?ほら、貴方って結構───」 そう言って、幽々子様は○○さんの頬についたご飯粒を箸で取ってそのまま優雅に自分の口へ運んでしまう。 「───子供みたいな所、あるしね」 そして妖艶に微笑む幽々子様。 ああもう、どうしてこうも私にないものばっかり使って○○さんを誘惑するんですか貴方は。 しかしそこは○○さん。軽く笑って何もなかったかのように受け流しました。 「ハハハ・…ま、どうでもいいかな。母さん、おかわり」 「……だからご飯無いんですってば。あと母さんはやめて下さい」 「そうよ○○。妖夢は母さんじゃなくて、「妖夢」もしくは「おまえ」って呼ばれたいんだからね?」 「ゆっゆゆゆゆゆ幽々子様何言ってるんですかもう!」 ────と、まあ、そこまでは日常的な風景だったのです。……お二人が私の事を母さん母さん言ってくる以外は。 問題はその後です、後。 そろそろ寝ようと思って座敷に敷かれた布団に横になり、掛け布団を被った刹那。 障子が開いて、小脇に○○さんを抱えた幽々子様が入ってきたんです。 そして、ああそして、あろうことか私の布団に○○さんとご自分の体を横たえて、そのまま布団を被ってしまったのです! 「……………何してるんですか幽々子様ーーーーっ!」 思わず声が荒くなりました。早いでしょ、誰がどう大目に見たって。 幽々子様が○○さんに並々ならぬ感情を抱いてるのは知ってますけど同衾って。しかも私の布団でって。 「何…って、寝ようとしてるだけだけど?」 「…なんだか知らんが、家族三人で川の字になって寝たいらしい」 布団の中から解説を加える○○さん。…あ、私の布団で○○さんが寝て…っと、いけないけない。煩悩退散。でも役得。 「川の字…ですか」 「そ。私が右端、○○が旦那様役で左端、妖夢は一番小さいから真ん中ね♪」 私の脳は考えるより早くその状況を想像してしまう。 三人が私の小さな布団の中、身を寄せ合って……………ああまるまるさんそんなにおしつけないでわたしどうにかなってしまいますー。 そうして赤面五秒の後に、現実に戻る。 正気に返った私がいた場所はお二人の間──つまり、布団の中でした。 「えっ…えええええええっ!?」 「妖夢、思いのほかノリノリでしたね幽々子様」 「そうね。もっと渋るかと思ったのに…あんな笑顔でお布団に飛び込んで来るなんてねえ」 あの五秒間で何をやったんだ私っ! 「あー…でもまあ、こういう寝方も悪くないかなあ。暖かいし」 この状況下であくまでマイペースな○○さんはどうかしてると思います! 「ふふ…それじゃ、明日はもっと熱い夜にしてみる?」 さりげなく誘わないで下さい幽々子様!私が間にいるのに○○さんにひっつこうとしないで!ああ!胸板が!○○さんの体が私にぴったりくっついて ─────っ! その晩妖夢は、結局一睡もできなかったという。 新ろだ162 博麗神社の縁側で昼寝中、甘ったるい匂いで目が覚めたら目の前に橙がいた。 うん、橙がうちに来ることはいつものことなんだ、紫さんや藍さんもよく来るし。 ただ問題なのは・・・・ 「○○~」 「・・・うわぁ!!ちぇ・・橙?」 「うふふ~」 橙の様子がいつもとおかしかったのだ。 いつもの橙なら「わーい○○遊ぼう~」と寝ている俺の上に飛び込んでくるぐらい元気でおてんばな子なのだが・・今日の橙はいつもと違った。 そう、いつもの橙を子供と例えるなら、今の橙は・・・ものすっごく色っぽい。 衣服はいつもと同じなのにとてつもなく色っぽい・・。 「橙・・だよな?」 「そうだよ~」 間違いなく橙だ、しかしどうなっているんだ一体・・。 「えへへ・・○○」 「な・・なんだい?」 「子作りしましょ」 静寂・・・そして橙は服を脱いで・・・・ 「この泥棒猫!!!!」 「わぁ!!霊夢!!」 いきなり霊夢が乱入してきた。 「人の居ないところで何乳くり合おうとしてるのよ!!」 「してないしてない!!」 「なー、邪魔しないでよ~」 「するわよ!!というか人のうちで何しようと」 「子作り」 「即答!!!・・霊夢落ち着け、とりあえずその陰陽玉をしまえ!」 「落ち着いていられるか!もう・・紫ったら式の教育がなってないわね」 「あらそんな事ないわよ」 と、スキマから現れた紫さん。 「紫!!ちょっとあの子何とかしなさいよ」 「何とかって・・無理♪」 「なんでよ!」 「何とかしたら面白くないじゃない」 紫さんの言葉に俺と霊夢は目を丸くした、まったくこの人は・・ 「・・・霊夢・・俺頭が痛い」 「私も・・・」 「だってぇ~今の橙は発情期なのよ」 「は・・発情期?」 「そう、私は一切ノータッチ、この時期の橙って大変なのよ・・いつもはスキマに閉じ込めておくんだけど・・今回は先手を打たれたようね」 「ぼやっとしないで早く橙をスキマに閉じ込めなさいよ!!」 「だからそれじゃつまらないじゃない・・」 この人は・・・霊夢も青筋が浮かびっぱなし、目つきも悪くて・・うわっ!霊夢ちゃん目怖っ!! 「というわけで橙、○○を好きにしていいわよ」 「はーい!」 「こら紫!!!」 俺に向かって走ってくる橙を抑える霊夢。 俺はとりあえず逃げようとしたそのとき、風が吹いた・・・ 「え?」 「無事でしたか○○さん!」 「あ・・文?」 気がつけば俺の体は文に抱きかかえられ、空を飛んでいた。 眼下には「泥棒鴉!!!」と叫んでいる霊夢と橙の姿が。 流石幻想郷最速、あっという間に博麗神社から離れ山の麓にあるとある小屋へ到着。 「文・・助けてくれたのは嬉しいけど・・」 「はい、お礼は子作りで結構ですよ」 …はい? 「文さーん、射命丸さーん?」 「明日のトップは私と○○さんの婚約会見で決まりですね!」 「え?だから・・」 あ・・甘い匂い・・・まさか文も発情期ってか? というかこの小屋の中、何故かラブホテルのような内装になってるし!! 「さぁ、○○さん」 「脱ぐな脱ぐな!!!」 「えー・・仕方がないですね」 と残念そうに体操着+ブルマを着た。 「まてまて、それを着るな」 「ヱー」 と再び全部脱ぎだしたので・・ 「全裸になるな!!!」 「はーい・・」 と、今度はセーラー服を着だした。 「次の衣装が気になるけど自重して・・・」 「えー、とにかく・・・子作りしましょう♪」 「いやだー!!人生の墓場はまだ早い!!」 「そこまでです!!!」 ばーん!!! 「大丈夫ですか○○さん!!」 「椛!」 救世主現る!! 「椛・・」 「そこまでです!○○さんと子作りするのはこの犬走椛です!!!」 「な・・なんだってー!!!」 わーお事態悪化、とりあえず逃げるべ。 「逃がしません!!!」 椛先手必勝、○○は拘束されてしまった。 「文さん、○○さんは私が頂きます」 「駄目!私よ!!」 「あたしだよ!!!」 いつの間にか橙も加わっていました。 ということは橙を追って霊夢が・・・いや、過度な期待はよしたほうがいい。 目の前では3人がじゃんけんをして誰が一番かを決めている、何の一番かって? 聞くなよ・・・とりあえずここから脱出する手立てを考えねば。 「あややキリがないですね」 「むぅ」 「やはり弾幕で決着を・・」 「おーい外で頼むぞ弾幕は」 「いいこと思いついた!三人同時に子作りすればいいんだ!」 「あやっ!ソレは俗に言うら・・らん・・」 「は・・破廉恥です!!」 いや、そんな破廉恥なことを君たちがやろうとしているわけで。 とりあえず、脱出の手立てを考えなきゃ・・・。 魅力的な少女が言い争っている中、俺は拘束をはずそうと四苦八苦していた。 「じー・・・・」 「あら霊夢、そんな玩具の犬耳付けて何してるの?」 「なんでもないわよ!あっち行って!」 「まさか、それで「私も発情期~」って混ざりたいの?」 「な・・そんなわけないでしょ!!」 新ろだ168 ―某月某日、香霖堂にて… 外界から流れ着く幻想入りした物品が陳列している雑貨店、その 名は香霖堂。確かにここで取り扱われる物品は珍しいものばかり。 ですが立地場所が博麗神社と人里のちょうど中間点のため、里の 人間達は妖怪に襲われることを恐れて近寄ろうとしません。 立ち寄るのは自力で妖怪退治が出来る僅かな人間か、ここ幻想郷 でもトップクラスの実力を持つ勢力下の者達ばかりで、余計に人が 近寄れなくなっています。 …ですが、何事にも例外というものは存在するようです。 そう、あなたなのです。 ひょんなことから幻想入りして、慧音の庇護の下人里で暮らして いるあなたにとってここ香霖堂は、時折陳列している懐かしい物品に 出会える唯一の場所。 今日も香霖堂の扉を叩いては陳列している商品を眺めています。 そんなに欲しいんだったらせめて一品くらい買っていってくれよ と人と妖怪のハーフである香霖堂の店主、森近霖之助は言いますが、 ここの商品に『真っ当な』値段がついたためしはありません。 …!……?………! おや?向こうにできている人だかりで何やら談笑しているようです。 幻想郷の権力家達がみんな揃って我が子の自慢合戦をしているのさ、 不用意に近づくと危ないよと霖之助は教えてくれましたが、あなたは こっそりと様子を伺うことにしました。すると… 「私の自慢の娘、咲夜は時を止めることができるわ。家事一般は 当然のこと、ナイフ捌きもお手の物よ。瀟洒で完全、を自称する のに相応しいわね」 「光栄ですわ」 紅茶を一口、その後に傍らに佇むメイドのことを自慢するのは 紅魔館の主にして吸血鬼のレミリア・スカーレット。 「あら、うちのアリスちゃんはそんな程度のこと人形さんたちに 任せてすぐにでも片付けちゃうわよ。伊達に一人暮らしをしてる わけじゃないの」 「まぁ、一人暮らしだからその程度のことは出来ないとね」 普段はここ幻想郷に顔を出すことはありませんが、自慢の娘の 様子を時折見に来る魔界の神、神綺。 「その程度ではまだまだね魔界神さん。私の自慢の娘である藍は 式神の身でありながら、式神を扱うこともできるのよ。私の身の 回りの世話もしてくれるし」 「紫さま…(普段からこう言ってくれればなぁ…)」 外界で言われる事象『神隠し』の主犯にして幻想郷の管理人、 従えている式神を称えるスキマ妖怪八雲 紫。 「うちのイナバは狂気の瞳を持っていて、並大抵の者が力任せに 襲い掛かってきても余裕で撃退できるほど強いんだから。永琳に 薬学も師事してもらっているから、将来が楽しみね」 「そ、そんな輝夜さま、私なんか師匠に比べたら全然…」 御伽噺「かぐや姫」のモチーフとなった月人、不老不死の罪を 背負い…という肩書きはどこへやら、兎自慢する永遠亭の象徴、 蓬莱山 輝夜。 「妖夢は剣術に秀でていて、庭師としても雑用係としても優秀よ。 以前あなたの兎さんに一度勝利しているじゃないの」 「ゆゆっ、幽々子さま、そんなに挑発しないでくださいよぅ。 鈴仙さんだって困っているじゃないですか」 冥界にあると言われる白玉楼の管理人西行寺幽々子は、お庭番 にして抜刀術に秀でる妖夢を褒めちぎる。 「あーうー、その程度大したこと無いわよ!うちの早苗だって 私と神奈子の面倒を見てくれているし、仕事熱心だし、奇跡を 起こして見せる能力持ちなんだぞー!」 「洩矢さま、そう興奮しないでください。私は当然のことをして いるだけなんですから」 最近妖怪の山に現れた守矢神社の裏管理人、洩矢 諏訪子は子孫 であり自慢の娘である風祝の少女のことを負けじとアピール。 「衣玖は空気を読んで必要に応じて的確な行動をとることで私に 尽くしてくれてるわ。時々歯向かうのが珠にキズなんだけどね…」 「私はいつも必要に応じて行動しているだけです、総領娘さま」 天界に住む天人くずれの比那名居 天子も自分の使者の有能さを アピールします。さりげなく皮肉られているのは気のせいでしょう。 さぁ一通り出尽くしたか、と思ったところにまだ一人いました。 地霊殿の主、古明地さとりです。彼女はまだ一言も喋っていません。 「『さぁ、貴方のご自慢の妹さんはいかが?』とでも仰る?」 第三の眼、で他者の心を読み取るさとりは、誰の心を読んだか 知りませんがそれを言葉にした後、ふっ、と得意げに笑いながら 語りだしました。 「家事が得意だ?弾幕を構築するための魔力が高い?特殊な能力 持ち?そんなものワケないわ。私の自慢の妹、こいしは床上手よ。 妹の魅力の前にあらゆる異性は文字通り骨抜きにされるわ!」 「お、お姉ちゃん!?それって物騒すぎるよぅ…」 そんなことを言われると思ってもいなかったか、思い切り動揺 しておろおろとうろたえる妹のこいし。しかし、さとりは続けます。 「最終的には殿方を喜ばせられるような技術が無ければ、ねぇ? 貴方達の従者はそこまで能がないのかしら?」 突然空気が変わるのを感じました。おやおや、と霖之助が溜息 一つついています。 そしてそこから凄まじい自慢合戦に発展してしまったのでした… 「この地底人は何を言っているのかしらね?うちの咲夜に不満を 抱く者など一人もいるとは思えないわ。ほどよい若さ、これが命よ」 「お嬢さま?」 流石の咲夜もただならぬ空気を感じ取り、 「アリスちゃんだって指先鍛えているから、どこをどうすれば殿方を 喜ばせることが出来るか良く分かっているわよ?」 「お母さん!?」 アリスは母親の暴走に驚き、 「藍が昔何人もの殿方を篭絡した手練れであるということは、 皆さんご存知のはずでしょう?男の一人や二人、楽勝よ」 「紫さま、お戯れを!(ああっ、やっぱりこうなるのか!?)」 藍は語りたくない過去を無残にも主人に抉られ、 「イナバも負けちゃいないわよ。この兎の耳、尻尾、そしてこの ほっそりとした体からは想像もつかないほどの熟れたかじt…」 「わぁわぁ輝夜さま、やめてくださいよぉ!」 鈴仙は露骨にセクハラにはしる主を止めようと必死になり、 「年がら年中発情期の兎さんよりも、控えめで一生懸命に尽くす 妖夢のほうがウケがいいわよ。この未成熟なところが逆にそそr」 「駄目ぇ!幽々子さま、そんな風に言っちゃ駄目ですっ!」 妖夢は自慢する傍らで露骨に挑発する主を止めようとして、 「それじゃあうちの早苗はその要素を全て併せ持った、文字通り 存在が奇跡ね!若いし、控えめだし、体つきもいいし!」 「よ、喜ぶべきか恥ずかしがるべきか複雑です…」 早苗は主の自慢話に赤カブのように真っ赤になり、 「地上人如き、大したことなど無いわよ!衣玖の空気を読む程度の 能力の前に、男達は皆死屍累々になること間違いなしだわ!」 「総領娘さま、それでは意味が無いと思いますが」 衣玖は主に冷静に突っ込みました。 ―彼女達の自慢合戦が継続中です、しばらくお待ちください― それからどれほど時間が経ったのでしょうか?全員が喋り疲れて グロッキー状態になった頃、紫が切り出しました。 「不毛な自慢合戦をしていてもキリがないわ。いっそのこと、誰が 真に優れているか素敵な殿方に決めてもらいましょうか」 ああちょうどいい、そこにいるじゃないのとレミリアがあなたの ことを指差すと、全員の視線があなたに向けられました。視線上には 霖之助も入っていましたが 「二重の意味で遠慮するよ。厄介ごとは御免だし、彼女達の視線は はっきりと君に向けられているようだからね」 柳に風、といった感じでかわされてしまいました。 主はボクシングのセコンドのようにそれぞれの従者、自慢の娘に つき一言檄を飛ばしています。 「咲夜!」 「お任せくださいお嬢さま。咲夜に不可能などありませんわ」 「アリスちゃん、大丈夫よね?」 「大丈夫よお母さん、今度そっちに行ったら結婚報告するわね」 「妖夢、負けちゃ駄目よ」 「いつだって全身全霊です、大丈夫、負けたりなんかしません!」 「藍、わかっているわね?」 「紫さまご心配には及びません。必ず勝ちますとも」 「イナバ、負けたらおしおきどころじゃ許さないからね」 「ううっ、どうしてこうなるんだろう…で、でも勝たなくちゃ」 「早苗、今こそ奇跡の力でゴールインよ!」 「帰ったらお二人に次世代の風祝をお見せします…!」 「衣玖、空気を読みなさい」 「空気を読んで勝利、その後駆け落ちなんて…ああっ」 「こいし、今こそ本気になるときよ。無意識の力を存分に活用なさい」 「え、えーっと…う、うん、やってみる!」 文字通り逃げられない状態です。 観念して誰か一人を選ぶべきだよ、幻想郷の少女達はタフだからね と霖之助が肩を叩いて言いました。 さぁ、あなたならどうしますか? コマンド? 新ろだ179 「ですから、元々外の人間なんですから外から来た守矢神社に住まわせるのが良いでしょう!」 「いいえ、稗田が預かったんですから、このまま稗田で預かります!」 ぼんやりと縁側に座っている自分の目の前で、二人の女子が言い争いをしている。 切欠は何だったのだろうか、途中から観戦している自分には知る由も無いが、文脈からそれが自分に関しての戦いだと推測された。 ただ自分の何でそんなにも争っているのかが皆目見当も付かない。 だから仕方無しにその争いを見守ることしか出来なかった。 渡り廊下が軋んだ音を立て、誰かがやってきたことを告げる。 だがその存外大きな音も目の前で白熱した少女たちには届かないらしく、依然言い合いは続いていた。 「久しぶりだな。変わりないか」 「おや、慧音さん」 一つ頭を下げて挨拶すると向こうも同じようにして返してきた。 そのまま慧音は自分の隣に座り、話を続ける。 「どうしたんです? こんなところに」 「いや、寺子屋で使う教科書について話し合おうと思っていたんだがな。妙な場面に出くわした」 妙な場面。確かに全く妙である。そもそもこの二人の喧嘩自体が想定できない。 恐らくは苦虫を噛み潰したような顔をしていただろう自分に慧音は言う。 「止めないでいいのか、あのまま争わせておいて」 「構わないでしょう。手を出すような人種じゃありませんし」 「それもそうだが。それにしたって、まあ」 彼女はそこで一旦区切ると、じろじろと自分の顔を覗き込みながら言った。 「なんだか、随分と人事のような顔をしているじゃあないか」 自分はそこで一つ溜息を吐き答える。 「それはまあ、余り関わりの無い争いですし。怪我をしないのなら放ってても良いでしょう」 「でもお前のことで争っているんだろう」 すかさず言い返され、若干たじろぐ。 「とはいえ実感が湧かないのでどうにも。それに……」 言い難い事、この場では特にだ、なので言い澱むが言う他無いので仕方無しに言う。 「それに直に向こうに帰りますしね」 「ああ、やっぱり帰るのか。いつぐらいになるんだ?」 多少驚いたような調子で訊いてきたので、博麗の巫女との少し前の会話を思い出して答える。 「いつかは未定ですが、準備が出来たら連絡が来るようです」 「準備?」 怪訝な顔をして問うてくる慧音に答える。 「ええ準備らしいです。それが帰らせる準備なのか、それとも自分の冬の準備なのかは判りませんが」 それを聞いて納得したような表情を慧音はし、その話をやめて他の話を始めた。 そして二人は向かい合って話をしていた為、阿求と早苗が自分たちのほうを向いて微動だにしていないことなど気付いてもいなかった。 「どういうことですか? 私を置いて居なくなるつもりなんですか?」 空が暗くなったと思ったら、不意にそのようなことを言われた。 どうやら太陽が雲で隠れたのではなく、阿求の体で隠れたらしい。 「前にも帰る心算だって言わなかったっけ」 「ええ言われました。言われましたとも」 阿求の発した問いに答えると、自棄になった口調で言い返される。 「でも本当に帰る心算とは思いませんでしたよ。私にあんなことまでしておいて」 慧音が不信げな目つきでこちらを見てくるが、この場では無視しておく。 「そうですよ、何で帰るんですか。ずっとこっちに居れば良いじゃないですか」 「いやだって、こっちいろいろ怖いし」 「妖怪が怖いなら、幻想郷縁起読んで勉強すれば良いじゃないですか。何ならきっちり教えますよ」 自分が答えるとすかさず阿求が言い、早苗もそれに続いて言う。 「大丈夫です。神徳で護身しますし、術も教えます。早く神社に行きましょう」 怖いのはお前らだよとは言え無い。言ったら後が怖いからだ。 「だから、神社に連れて行こうとしないで下さい。大体あそこじゃあ里に降りられないでしょう」 「空だって飛べるようにちゃんと教えます。何も不便になるようなことはありません」 阿求と早苗の言い争いは先ほどにも増して白熱して行き、そこに自分の意思の介在する隙は無かった。 「こら、お前達やめないか」 「慧音さんは少し黙ってて下さい」 余りの白熱振りに慧音が慌てて仲裁に入るが、阿求に即座に沈黙させられる。 「そうです。関係ないですから向こうでお茶でも飲んでてください」 早苗にも言われ、慧音は縁側で不貞腐れたように壁に凭れて足を投げ出してしまった。 「もういいです。このまま神社に連れて帰ります」 言って早苗は首を引っ掴むと、風を起こして空を飛ぼうとする。 それを見て阿求は慌てて胴を掴み、浮遊を阻止しようとした。 「待って、早苗さん首絞まってる!」 「ちょっと辛抱してて下さい。もう少し上がったら抱えなおしますから」 息を振り絞って悲鳴を上げるが、早苗には聞き入れられない。 すると阿求が自分の腰に抱きつきながら煽るように言い放った。 「早苗さんですって、それが限界なんですよ。私には呼び捨てです。あなたとは違うんです!」 それを聞くと、負けじと早苗も応戦する。 「友達程度にしか思われていないんじゃないですか? 親しき仲にも礼儀有りって言うでしょう!」 だんだんと目の前が暗くなっていくのを感じながら、そんな喧騒を聞いていた。 気が付くと布団の上に寝かされていた。 見渡してみると畳敷きに障子戸、回廊と稗田邸と同じ造りの様だが部屋が少し大きい。 こんな部屋があったのかと思いながら起きると、傍らに居た女性に声をかけられる。 「あら、もう大丈夫なの?」 医者の類だろうか、それにしてはそれらしい服には見えないが、と内心訝しみながら返答する。 「ええ、なんとか助かりました。ありがとうございます」 しかし彼女は小さな溜息を吐くと言った。 「残念だけど、助かってないのよ」 「幽々子様、紫様がお見えです。急ぎだそうですが」 障子の外から声がかけられた。ここは―― 新ろだ187 妖怪の山の中にある川。深くはないが、決して浅いとも言えないそこ。 そのすぐ傍にある石場に腰掛ける、三人。白狼天狗の椛と、河童のにとり、そして人間である○○。 種族もばらばらの三人だが、それと関係なくこの三人は仲が良い。暇があれば○○は妖怪の山までやってくる し、にとりと椛もそれを歓迎する。 「それにしても、今日は暑いね」 自分達を燦々と照らす太陽を見上げて、○○は呟いた。その頬には一筋の汗。 「そうだね、こんな日は川の中でキュウリを食べたら気持ち良いだろうね」 「にとりはいつもじゃない。でも、確かに今日は川で泳ぐと気持ち良さそう」 そういう二人の顔にも、うっすらと汗が流れている。その視線は、じっと川の中を見ていた。 「じゃあ、泳ごう」 言うやいなや、○○は着ていた服を脱ぎ始める。唐突に始まるストリップに、椛とにとりは手で顔を覆う。 流石に下まで脱ぐ気はないらしく、○○は上半身裸で川へと飛び込んだ。ばしゃんと、水が跳ねて椛とにとり に微かにかかった。 「ぷは、気持ちいいよー。二人も泳ごうよ」 水から顔を出し、○○は二人を誘う。河童であるにとりならともかく、椛には替えの服がない。それを言えば ○○も同じだが、男と女では少々勝手が違う。 「いいなぁ」 「椛に悪いし、私も遠慮するよ。○○だけ泳ぎなー」 「そう? 気持ち良いのに」 残念そうに呟き、○○は水の中に潜る。その姿に椛とにとりは顔を見合わせて、笑う。普通なら下心があるの ではと疑う所だがこの○○、天然なので本当に水の中が気持ち良いから入ればいいのに、という考えしかない。 そんな○○だからだろう、二人は○○が人間にも関わらず好意を寄せている。 「元気だねぇ」 「そうだね」 楽しそうに泳ぐ○○。それを眺めて、にとりは苦笑して呟いた。リュックから取り出したきゅうりを、一口齧 る。ぽりぽりという咀嚼音に釣られてか、椛も一つ頂戴と言ってもらう。 それから暫く、○○が泳ぐ音と二人のきゅうりを齧る音だけが聞こえる。 「あ、二人ともきゅうり食べてる。ずるいなー」 「○○も食べるかいー?」 「食べるー」 誘われて○○は泳いで岸へと近づいていく。しかし、その途中で不意に○○の姿が水中へと消えた。 『?』 きょとん、として状況を見守っていた二人。次に○○が顔を出したとき、ばしゃばしゃと手で水を叩く音でよ うやく溺れているのだと気付く。 『○○!』 服が濡れることなど構わず、慌てて川へと飛び込み溺れている○○を岸まで引っ張っていく。出来るだけ平坦 な地面に○○を寝かせる。川から岸へと上がるとき、既に○○の身体はぐったりとしていた。溺れたときに水 を飲み込んでしまったらしい。 手に口をあてるが、息をしていない。このままではまずいと、椛はすぐに○○の気道を確保。鼻をつまみその まま顔を近づけて唇を――― 「ちょっと待った!」 それを止めるにとり。なんで止めるのかと、椛はにとりを睨んだ。 「人工呼吸なら河童の私に任せな。その道に関してはプロだよ」 そういい、椛を押しのけて○○に顔を近づけていく。その頬が、やけに赤く染まっているのに気付いた椛はそ ういうことかと気付き、にとりを押し退けた。 「にとりはただ○○にき、き、キスしたいだけじゃない! そんな不純な理由でするのなら、私がやる!」 「それは椛だって同じじゃない! ちょ、私がやるから椛は引っ込んでなさい!」 「わーたーしーがーすーるーのー!」 ぎゃあぎゃあと、今にも死にそうな○○の横で椛とにとりは人工呼吸をする権限を巡って騒ぐ。その間も、○ ○は刻一刻と死へと近づいているというのに。 次に○○が目を覚ましたとき、そこは白玉楼の一室だったとかなかったとか。
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ハーレム?6 12スレ目 476 その時俺は風呂に入っていた。事件はその時起こった。 「○○一緒に入ろー」 突然諏訪子様が風呂場の床を持ち上げて入ってきたのだ。 「!? ??!?」 俺がうろたえるのも無理はないはずだ。 そんな俺を尻目に諏訪子様は平然とこう言ってきた。 「そんなにびっくりしないでよ。ちょっとお風呂場の床をもう一枚作っただけだから」 「え? どういうこと?」 「だから、」 床に手を伸ばし何かを引き上げ下を指差す諏訪子。 「床は『2枚』あったッ!」 「はぁ?」 「さっき○○が乗っていたのは私が作った偽物よ」 「ど……どうやって?」 「このくらい私の力を使えばどうってことないわ」 と、胸を張って答えてくる諏訪子。 眼鏡が無いから良く見えなかったが、確かに普段より浴槽の縁が低かった気もする。 ううむ、諏訪子様の作戦勝ちか。 「というわけで入れてねー」 「駄目ですって諏訪子様、もう入りきりませんよ」 「へへ、このお湯を被っちゃえば、もう入れざるをえないよ。温まらないとだし」 そういって浴槽脇のケロヨンを手にする諏訪子様。しかし俺はあの桶で湯など汲んでいない! 「ヒィッ!」 ああ、やっぱり水だったのか。両肩抱いて震えてるよ。 「お願いだからちょっと入れて。温まらせて……」 仕方がない。ここで入れなければまさしく外道である。 端に寄って、反対側に入れる分のスペースを作る。 しかし諏訪子様はそんな配慮は何のそので、股の間に割り入ってくる。 これは危ない。この配置は危ない。 耐えろ俺のケロちゃん。くれぐれも舌を伸ばさないでくれ。 「はーあったかいねー」 「そーですねー」 正直言ってそれどころではない。 「いい気持ち。歌の一つでも歌いたい気分」 「そーですねー」 「かーえーるーのーうーたーがー」 「輪唱はしませんよ」 「かーえーるーのーうーたーがー」 「どっから!?」 浴室を見、天井を見、諏訪子を見る。 しかし諏訪子様は私も知らないという風に首を振る。 きょろきょろともう一度見回していると、ふと気づいた。 窓に! 窓に!! 「諏~訪~子~、何抜け駆けしてるの!」 窓にすごい不機嫌そうな顔の神奈子様が! 「もう怒った。私も一緒に入る」 「やめて」 言うや否や猛然とダッシュする神奈子様。 それを引き止めようとして全く止められなかった俺。 「早いところ上がりましょう」 幸い体も髪も洗ってある。まだ暖まりきっていないが背に腹は代えられない。 風呂から上がって寝巻きに着替えてしまえば、闖入者は増えないだろう。 「上がる必要は無いよ」 「?」 諏訪子様が妙なことを言う。風呂から失せないと事態の収拾は無理だろうに。 恐らくは神奈子様乱入風呂釜崩壊早苗さん大激怒ルートだろう。 そう思っていると突如水の中に何かが出来た。 「『坤を創造する程度の能力』! いま水から風呂の底を作ったッ!」 「なッ!」 「これに隠れて神奈子をやり過ごすッ!」 遠くからドンドンという床を踏み抜かんばかりの疾駆音がする。 早く隠れろと腕を引かれ、水中に顔も体も全く没する。 水に潜れない俺が、だ。 「ぬうっ。諏訪子め何処に消えた」 何処の戦国武将かと思うような声で神奈子様が言う。 俺は板二つに挟まれて、水中で身動き取れない状態になっている。 体の下には諏訪子様。上には板越しに神奈子様。 そして俺のオンバシラはエクスパンド済み。 加えて泡で居場所がばれるので、うかつに息も吐けない。 「上がったのかな。早苗に聞いてみるか」 神奈子様がそう漏らし、俺もほっとして息を漏らしてしまう。 泡は掴むことも出来ず、板の隙間を通り抜け面に上り、 「そこかーッ!」 無情にも居場所をばらしてしまう。 神奈子様が掛け声と共に振り下ろした足は板の端、頭のあるほうとは反対側を踏み、 どうやら諏訪子様が立てていた膝を支点にきれいに宙返りをして、神奈子様にクリーンヒットしたらしい。 ゆっくり崩れ落ちる神奈子様と、勝ったとばかりに両腕を掲げる諏訪子様、 どたどたと音を立てながらこちらに向かってくる早苗さん。 十中八九最悪だ。 「どういうことですかッ!」 見られたのは床に大の字で寝ている神奈子様と、裸で抱き合う俺と諏訪子様。 そして散乱した浴室と風呂の床。 事態の把握など出来るはずも無い。 「○○さんは私だけを愛してくれるんじゃなかったんですか」 なんでだ。あとそっちからか。 「あの日布団の中で愛しているのは早苗だけだって言ったのは嘘だったんですかッ!」 「いや言ってねえよ。大体一緒に寝たこと無いでしょう」 早苗さんが残念そうな顔をして一瞬の間が開く。 既成事実でも作るつもりだったか、それとも言質を取りたいのか。 「それで、何でこんな風になっているんですか?」 「ワカラナイ」 「判らないじゃないでしょう。なら○○さんと諏訪子様、先に入っていたのはどちらなんですか」 「シラナイ」 「それならこの床は何なんですか」 「コムギコカナニカダ」 叩かれました。 「本当に○○さんは目を離すとすぐに騒動を起こしますね」 早苗さんが言い、横で神奈子様と諏訪子様が頷く。 俺は皆の対面で正座させられ、この家族? 会議の主役に仕立て上げられている。 あれあれ悪いの全部俺なんですか? 「だが待って欲しい。乱入したのはそこなお二方なのだから、自重していれば事件は防げたのではないか」 ……。 「まあ何にせよすぐ騒動を起こすと言うことで」 早苗さんごまかすな。 「これはあれですね、皆でいつも監視していないとということで」 「そうだね、それじゃ当番決めようか」 「日曜はみんなではいるの?」 「それじゃあお風呂場も大きくしてもらわないといけませんねえ」 「露天風呂ならすぐ作れるよ」 これはあれか? しっとマスクが来る様な事態か? 工事屋の代わりに工兵の杉本君が来るのか? 「あの……みんな落ち着いて」 「私お風呂の順番後のほうがいいなあ」 「諏訪子、風呂で何する気よ」 「何って……いろいろよ」 「こやつめハハハ!」 「ハハハ」 だめだこいつら、早く何とかしないと。 「それじゃあ○○さん、諏訪子様が露天風呂を御造りになられるそうなので、外に行きましょうか」 俺の蛇がもたねえ。 12スレ目 482 リグル「見て!カブトムシ形とクワガタ形を作ったの!」 ○○「妙にリアルでキモイぞ」 みすちー「はい鰻チョコ!」 ○○「いらない」 慧音「あ、あの、これ・・・」 ○○「なにこれ歴史書?すごいチョコの匂いがってインクがチョコかよ!食えるかよ!!」 てゐ「はい○○!愛情たっぷり手作りチョコだよ!」 ○○「アーモンドチョコ形消しゴム懐かしいな」 鈴仙「は、はい、○○、これ・・・」 ○○「この滑らかな流線型は座薬ですね」 永琳「はい、どうぞ」 ○○「なんかカプセルはみ出してるぞ」 輝夜「○○、私のが一番おいしいわよね?」 妹紅「燃えろー!」 輝夜「ああ!私が愛情こめて作らせたブリリアントドラゴンチョコレートが!!」 ○○「人に作らせたのかよ」 妹紅「あああ私のも溶けちゃったああ」 輝夜「バーカwwwwwwww」 ○○「うわああっちいい水!水ー!!」 12スレ目 571 れみりゃ「ぅー」 ○○「……どうした? お腹でも痛いのか?」 れみりゃ「○○、ほかのひととはなしてばかりであそんでくれない……」 ○○「うわ、ごめん! そんな約束してたっけ」 れみりゃ「おままごとするってやくそくしたのに……」 ○○「今! 今からやろう!」 れみりゃ「……! じゃあ、れみりゃがままで○○がぱぱね」 ○○「OK、把握した」 れみりゃ「それでね、それでね、こどもがふらんどーるね!」 ○○「……!」 フラン「パパ、お外で私と遊んでー?」 ○○「おま、いつから……」 れみりゃ「ちがうもん、ぱぱはままといちゃいちゃするの! ねー?」 ○○「ね、ねー?」 フラン「ふーん、じゃあ私もパパとイチャイチャする!」 フラン s「「「イチャイチャだー! イチャイチャだー!」」」 ○○「いやちょっと待て二人だけならわかるけどなんで五人になってrうあわはああああああ」 ○○はスカーレット姉妹にもみくちゃにされました。 12スレ目 812 うpろだ890 なんだか凄く困った事になっていた……。まぁ、見ようによっては羨ましいかもしれないが 「ねぇ、どっちが好きなの?ハッキリしなさいよ!私なの?妹紅なの?」 「お前が大声だすから可哀相に○○がビビってるじゃない。殺すよ、輝夜……」 俺がビビってるのはそんな理由じゃない となんか陽気な雰囲気が流れるいつもの神社での宴会の中、右に居られるは永遠亭のニート姫こと輝夜。 左で殺気剥き出しなのは近所の竹林に住んでる妹紅。 あれだ、こんな状況になったのは宴会で「○○さんっていっつも妹紅さんか輝夜さんといますよね~、一体どっちが本命なんですかぁ?」 と酒の入ったどこかの馬鹿天狗に聞かれたからだ。 ちなみにその馬鹿天狗はとっくの昔に姿を消した。流石幻想郷最速を名乗るだけはある、最低だ。 抑止力になろうはずの永琳さんは意外にも既に酔いつぶれていて慧音さんも今夜は寺小屋の野外授業で生徒さん達と星を見に行っていない。 二兎にはもう何の期待もしてないしギャラリーは見て見ぬ振りするか酒の肴にしている 「うるさいわね、嫉妬は見苦しいわよ妹紅、私と○○の仲を邪魔するならあなたこそ死んでもらうわ」 「あ゛?誰と○○の仲だって?お前こそ私と○○の絆の深さに入る余地なんかないんだよ」 何か知らんがどんどんヤバい方向に……。誰かに助けを求めなくては……。 ふとこっちを見ていた霊夢に視線を送ったら目があったが少しばつの悪そうな顔をして霊夢は目を逸らした。 あ、無理?無理なの? 「じゃあ、本人に聞いてみるってのはどうだ?」 「あなたにしてはいい考えね妹紅。聞いてたわね、○○?」 「あ、あのさ、二人とも落ち着いて……。せっかく宴会の席なのに、な?」 「「いいから、どっち?」」 マズい、マズすぎる……。どっち選んでもちぬ、確実に死んでしまう。 「そ、そんなすぐには決めらんないっていうか……」 A.実は輝夜の事が…… B.実は妹紅の事を…… C.君達二人とも僕の可愛いにゃんこさ ここは普通に考えてC以外だろ、でもどれ選んでも死にそう。 「…優柔不断ね、○○は」 「○○は優しいんだよ、お前みたいな箱入りと違ってな」 「何ですって!?」 どんどんヤバい方向に流れていく気がしたその刹那、俺は急に冷静になり目を閉じる。 周りの喧騒が徐々に聞こえなくなっていく。 こんなどさくさで言うのも気が引けたが、閉じた闇で見えたのは確かに、確かに笑ってたのは彼女だった。 「俺が好きなのは---」 二人とも途端に黙り、俺のことを不安と期待を込めてまじまじと見る。 当たり前だ、きっと俺が彼女達の立場でもこんな感じになるに決まってる……。 【A.実は輝夜の事が……】 「え……、うそ……」 と輝夜は信じられないような顔をして呆けていた。 「あぁ~あ、失恋かぁ。全く○○は女泣かせだな」 「ごめん、妹紅…。」 「謝んないでよ、私が余計惨めになるじゃない、…でもね、○○そこまで腹括ったんだ」 そこで一区切りすると妹紅は不意に耳打ちして宙に舞った。 「それじゃあたしはお邪魔みたいだからね、慧音のとこにでも行くよ」 「あ……、妹紅」 と今更のように輝夜が妹紅の事をたどたどしく目で追う。 「何シケたツラしてんのよ幸せ者。○○の気持ち粗末にすんじゃないよ、○○が好きなのはお前なんだからな」 そういうと妹紅は三日月が照らす薄闇の中へと消えていってしまった。 「ねぇ、○○。私の事好きだって言ってくれたのよね、確かに」 妹紅が消えていった方を見ながら輝夜は俺に背を向け言う 「あぁ、俺は輝夜のことが好きだよ。ごめん、こんな勢いだけで言って」 と後ろから輝夜に手を廻してそっと呟いた。少しビクッとなる輝夜に慌てて手を解く 「うぅん……、良いの別に。それよりもっと○○の話が聞きたい」 そういって輝夜は引っ込みかけた俺の手を引く。その白く美しい手に思わず俺は見とれる。 「ねぇ、○○……、私何で貴方が妹紅でなくて私を選んだのか、わからないの」 「輝夜……」 「いや、あのね、○○のこと嫌いとかそんなんじゃなくて……○○、ホラ、妹紅と仲良しだし、その……○○は妹紅を選ぶと思ったから……」 「俺は輝夜の事が好きだから、じゃ駄目なのか」 「…だめ。私恐いのよ。からだの痛みだけならいくらでも耐えられるけど心のはそんなに強くないから……、言葉が欲しいのよ」 顔は見えないが輝夜の肩が小刻みに揺れていたので輝夜を一層強く抱き寄せ童を安心させるような感じで語りかける。 「輝夜……」 輝夜は一瞬ビクッとしたがすぐに体を預けこっちを向いた。心なしか輝夜の頬はほんのり朱に染まっていた 「○○……、ちょっと、」 「嫌か?」 「嫌じゃない、嫌じゃないけど……見られてるじゃない、恥ずかしいのよ////」 「輝夜のさ、そういう可愛らしい所が好きなんだよ」 「ばか……、もう知らないわ」 と輝夜は体を俺に預けてきたのでしっかりと抱き止めてやる。 「輝夜、好きなんだ、俺とずっといてくれ」 「……じゃあコレ飲んでよ……」 輝夜は懐からおずおずと不思議な色をした液体の入った小瓶を取り出す 「ずっと私を愛して、文字通り永遠に……」 しばらく静寂があった、そして互いが互いを見据えて…… 「輝夜……、」 「ごめんね、意地悪だったね」 「違うって、」 「うぅん、いいの忘れて!永琳が言ってたの、いつか貴方と共に歩んでくれる人が!きっと来るって! でも私、私○○に私の理想ッ、押し付けて安心しようとしてたッ!」 輝夜はパニックを起こし自暴自棄になっていた。眼には涙が溜まり始め顔はくしゃくしゃに……。 違う、俺が見たいこいつの顔は、そんなんじゃないッ! ー大切にしてやりなよ、○○ー 俺は泣きじゃくる輝夜から瓶を引ったくりそのまま垂直一気に飲み干した。 一瞬、あたりがシンとした。汗にぎり観ていたギャラリーは勿論、輝夜も声が出ないようで口をパクパクさせて目を見開いていた。 「もう泣かなくていいから、笑っておくれ」 「貴方、本当に馬鹿ね……」 輝夜はそう言ってクスクス笑いながら拳を作りトン、と俺の胸を叩いた 「あぁ、筋金入りの大馬鹿さ」 その瞬間神社は大歓声に包まれた。 弾幕を花火替わりにする奴、激励してくれる人妖問わずの友人たち、「ついでに神社だ、結婚しちまえ!」と茶化す白黒魔砲使い 酔いつぶれて「末永くお幸せに~ぃ」とベロンベロンの永琳さん なんか褌の裾噛み締めて睨みつける古道具屋の店主 そしてもう一度輝夜を見る 「後悔なんかしないしさせない、俺と共に永い道を歩んでいこう」 「クサすぎるわよ…。でも嬉しい、愛してるわ○○……」 翌日の文々。新聞は言うまでもなくスポーツ新聞並みの下世話な見出しと共に即日完売だった -完- 【B.妹紅が好きなんだ】 「……ばか、○○の馬鹿ァーーーッ!」 そう言って輝夜は泣きながら夜の闇に消えていった かける言葉はない、自分から絶望を与えておいて慰めを考えるなんて愚の極みだ。 「○○、てっきり私は輝夜だと思ってたんだけどなぁ」 「おれは妹紅の事が好きなんだ、輝夜が好きなのはあいつの人柄が好きで」 「男女の関係では見れないのか?」 と少し悲しそうな目で俺を見る妹紅。俺には少し引っかかるものだった。 「私は○○の事は好きだ、だけどもっと入れ込んでる奴がいるのも知ってる。だから今回は諦めと焚き付けを込めて天狗と芝居を打つつもりだったんだけどな、はは、参ったな」 妹紅は肩をすくめて苦笑した 総てのからくりがわかった。俺と輝夜の関係を深めようとして、そして言葉通りにとらえるなら妹紅は自分の意志を殺してまで取りはからってくれたのだ。 予想外は俺の答えだけ……。 「でも、それでも俺は……」 「今更輝夜とくっつけようとしても無駄そうだね、でも、私は○○の気持ちを素直に受け入れられないよ」 「なんでッ!?」 妹紅は俯きながら話す 「ホラ、○○は私にとって弟みたいな感じなんだよ。 それに輝夜と○○をくっつけようとしたのに私が○○を横どりしたら今までの関係が壊れるんじゃないかって思う。」 妹紅は辛そうに時々目を瞑りながら淡々と語っていた。 傍目から見ても仲が悪そうに見えてもお互い永年付き合ってきた縁なんだという事は解っていた。 「でも、それでも俺は妹紅の事が好きなんだ。ちっちゃい頃から妹紅お姉ちゃんと遊んでもらってた頃から、……初恋なんだと思う」 「○○、初恋は散るものなんだよ。そして過去は色褪せていくものなんだ」 と妹紅は俺を悲しみを含んだ瞳でみる。瞳がもうやめてくれと言っているようだった。 でも関係ない、俺はここで伝えきれなかったらきっと後悔する。周りの奴らに後で馬鹿にされても構わない、妹紅に呆れられても構わない、後悔だけは……、したくなかった。 「あの時だってそうだった、俺の父さんと母さんが妖怪に殺されたって聞かされた時誰よりも早く俺の所に来てくれた」 「……」 「俺のことを抱きしめて泣いてくれたんだ、それまで堪えてた涙を俺は出してオンオン泣いたよ。 泣きつかれて眠ってしまった俺を慧音さんに預けて無力な俺のために怒ってくれた」 「○○、それは、「憧れ」だよ……」 「俺は嬉しかったよ、朝起きたらその妖怪がつけてたっていう呪い道具を握りつぶした妹紅が俺の前に現れた時には……、俺はその時誓ったよ」 「あぁ、そうだな……。『つよくなる!』って言ったな、そしてお前は強くなったよ、そして真っ直ぐに育った」 「それから村のみんなに支えられながら一人で暮らしてたけどしょっちゅう妹紅も慧音さんと一緒に俺の様子を見に来てくれた」 「心配だからに決まってるだろう」 「いつからか俺の中じゃ『憧れの妹紅お姉ちゃん』、じゃなく『いつか一緒に肩を並べたい妹紅』になっていたんだ……」 「なぁ……、○○、私はお前よりずっと生きるんだ。お前が先に死ぬと、きっと泣くだろう……。今だってそうだ。もっと親密になったらもっと悲しくなる……。 だから夫婦にはなる気は、無い。ありがとう○○、お前は普通の人間と幸せになるんだ。意味もなく人外に交わるな、一人暮らしし始めた時いったろ?」 「それでも俺は、妹紅の事を好きでい続けたい、妹紅が迷惑だって言ったって!妹紅が俺のこと嫌いだって言ったって!」 きっと蓬莱の薬を俺が飲もうとしても妹紅は俺のことを止めるだろう、だから俺は人でありながら妹紅をずっと慕って死んでいこうと思う。 言いたい事は総て言った、気持ちの細微は伝えられないだろうけど伝わったはずだ。 「妹紅、それでも好きなんだ」 そういった瞬間、妹紅は一筋の涙を流した。 「ばか、ワザとお前を拒絶したのに……。好きな気持ちを、隠しきれないじゃないか、心底惚れてしまったじゃないか!」 「え……、それじゃあ」 「あぁ、お前の求愛に答えてやるよ。お前が死んでも、お前は私の中で生き続ける。……そう考えることにしたよ」 「妹紅…」 妹紅は顔を朱に染めながらはにかんだ笑顔を俺に見せた。 「よろしく頼むぞ、○○」 その時神社中から拍手と大歓声があがった、見てた側も緊張してたのか?というか初めっから見られていたと考えると……照れる 「まったく……、お前は。今じゃ人妖問わず好かれてるんだな」 と妹紅は周りのどんちゃん騒ぎを傍目に笑った 「この神社を介して大分人付き合いが広がりましたが」 と苦笑を漏らしながら返す 「そっか、お前色になら染められてもいいな……」 「え?妹紅今何か言った?」 「いや、何でもないぞ。至って何でも無い!」 凄く気になるが慌ててる妹紅の姿が妙に滑稽でどうでも良くなった 「妹紅さ~ん、どうでした~?」 とその時どこかに行ってた天狗の新聞記者が戻ってきた 「ん~、あれだ。手伝ってもらってなんなんだがな……、こうなった」 と妹紅は俺の腕に抱きついてきた 「うわっ」 「何だよ、恥ずかしがることはないだろ。人生短いんだ、遠慮する事はない」 「あの……、そういう展開になっちゃったんですか」 と文は驚きながら撮り終えたカメラをしまった。それはもちろん新聞で使うんだろうな、止めても無駄そうだからスルーすることにした。 「何はともあれめでたいんだ、今夜は付き合ってくれ文」 俺は杯を手に文にも酒を勧めた。 「えぇ!交際決定後にすぐ浮気ですかッ!?」 「馬鹿か?○○は一杯付き合えって言ってるんだよ、大体浮気は私が許さない」 「ですよね~、そういうことなら私もいただきましょう。酔いつぶれる覚悟は出来ていますか?私は出来ていますよ」 「「「よーーし、今夜は呑み明かすぞぉ!おーーーーーー!」」」 こうして今宵も幻想の夜は更けていく、今宵俺は幸せを感じながら祝杯を挙げた。 ~Fin~ 【C.君達二人とも僕の可愛いにゃんこさ】 「オーケイ!俺は来るもの拒まずさ、二人ともカマン!」 やっぱこれしかねぇよ!円満にこの場を収めるにはこれしかない!! バキ!ドカ!ボキゴキ!グシャ! 「最低、女の敵ね。なんていうか求愛してきた貴族にこんなのいたわ」 「○○、おまえがそういう考えの持ち主だったとは思わなかったよ」 そういって二人はどこかにいってしまった・・・。なぜだ、何がいけないんだ……。 そんなとき誰かの影が俺に落ちた。ふと顔を挙げてみると裸一貫のふんどし姿の霖之助さんが優しく微笑んでいた。俺は泣いていた 「もう、女なんか信じられない……」 「共に逝こうか?漢の道へ、辛く険しい茨の道だけどね、ははっ」 そういって霖之助は手を差し出した、その優しくすべてを包み込んでくれる笑顔に思わず高まってくる気持ちがそこにはあった。 「霖之助さん/////」 「もっとフランクにこーりん、でいいよ」 俺達はまだこの男坂を登り始めたばかりだ ~終~ 12スレ目 818 うpろだ891 ワイワイ ガヤガヤ 「おーい、これどこに置けばいいの?」 「それは向こうにセットしてくれ」 「おいしそうな匂いがするお酒だね~~」フラフラ 「飲むなら式が終わってからにしなさい」 「ねぇ妖夢」 「なんですか幽々子様」 「これだけご馳走が並んでるんだから一つぐらい食べてもいいわよね?」 「駄目です、もう少し我慢してください」 「妖夢のいけず~~~」 「リリカ、メルラン今日は賑やかな曲でいくよ」 「こんなこともあろうかと結婚式用の曲を用意しておいたかいがあったねルナ姉」 「なんだかやる気が出てきたわ」 今、俺の目の前では結婚式の準備が行われている ちなみに花婿は俺だ 俺なんかの為に知りあい総出で式の準備をしてくれるのは素直に嬉しい しかし一つ問題があってその問題は…… 「霊夢、おめでとう、とりあえず言いたい事は一つだけ、幸せになりなさい」 「当然じゃない…………ありがとう、紫」 「いいなーいいなー私も白無垢着たいなー」 「ふふふふ、それにはまず相手を探さないと駄目よ橙」 「はーい」 「わ、わわわわ私は橙がお嫁に行くなんて反対だぞ!あと500年は早い!」 「綺麗だね早苗、私も鼻が高いよ」 「そんな、八坂様……恥ずかしいですよ////」 「本当のことだよ、ねぇ?諏訪子」 「うんうん、本当に綺麗だよ早苗 それにしても結婚式かー、懐かしいな 私もあの人と結婚する時は国を挙げての盛大な結婚式を挙げたんだよ」 花嫁が二人いるということだ 「……何でこんな状況になってるんだろう」 確か事の発端は約3時間前、なんのたわいの無い世間話から始まったんだ ~約三時間前~ 「そういえば霊夢さんはどうするんですか?」 「なによ唐突に」 「跡継ぎのことですよ、幻想郷での結婚年齢適齢期がいくつか分からないですけど 霊夢さんって私と同い年ぐらいですし、そろそろお婿さんとって跡継ぎとか考えないといけないと思いますよ」 「跡継ぎねー、正直考えた事無かったわね、まあ婿のあては一人いるけど そういう早苗こそどうなのよ、私が跡継ぎ考えないといけない年齢なら早苗だってそうでしょ」 「私はちゃんと考えてますよ お婿さんになってくれそうな人もいますし」 「…………私の勘なんだけどもしかして早苗と私の言う婿って同一人物なんじゃない」 「…………恐らくそうでしょうね、最初に言っておきますけど私は譲りませんよ」 「私だって譲る気なんかさらさら無いわ」 「どちらも譲る気がない、かといってお互い心当りは一人しかいない となると最後の手段ですけどこれしかありませんね」 「そうね、私たちの婿になってもらうしかないわね」 「そういうわけですからお願いしますね○○さん」 「…………はぁ?」 俺には関係ない話だと思ってのんびりと聞いてたら何を言い出すんだこいつらは ってか俺が二人の婿?行き成り過ぎて脳が処理できん 取り合えず……逃げるか ○○は逃げ出した 霊夢の攻撃 夢符「封魔陣」 ○○は捕まった 神社から脱出しようとした俺に霊夢が封魔陣を放ちあっけなく拘束された 「ちくしょー!放せー!」 「大人しくしたら解放してあげるわよ それより、紫、いるんでしょ」 ニョキッ 「はいはーい、よばれてとびでてじゃじゃじゃじゃーん」 「どうせ話し聞いてたんでしょ?それなら言いたい事分かるわよね」 「式の準備でしょすぐにでも皆に知らせて準備させるわ」 「ありがとう」 「おい!結納とかいろんなことすっ飛ばしてなんでいきなり式なんだよ! ってかまだ俺は納得してないぞ!」 「大丈夫ですよ○○さん、「嫌よ嫌よも好きのうち」って言うじゃないですか」 全然大丈夫じゃあねー!ってかなにいってんだこの青腋巫女 くそぅ!このままでは人生の墓場×2に行き着いてしまう なんとかしてこの封魔陣から抜け出さないと 「私らの巫女じゃ不満だと?」 「いい度胸してるね○○」 …………このこの威圧感はまさか 「式の準備を今から急ピッチでするからこれ以上人手は割きたくないんだよ だから、大人しくしてなさい、分かった?」 「逃げようとしたら問答無用で タ タ ル ヨ 」 この目は本気だ、俺が少しでも逃げようとすれば確実に祟られる 殺されはしないだろうがどんな目に合うか分かったもんじゃない 「イ、イエス、マム」 「よろしい、それじゃあ準備が整うまでそこで大人しくしててね 逃げちゃ……嫌だよ?」 嗚呼、こりゃ逃げれんわ ~現在~ 現在も着々と準備が進められて終わるもの時間の問題だ 「本当にどうしようか……」 結婚するのに絶対に嫌だって訳じゃない あの二人こと好きだし 正直な所婿の話が出たときは表面的にはどうでもいいと思ってたが内心では結構あせってた だから二人が俺を婿にしたいと言ってくれた時は素直に嬉しかった、でも…… 「俺に二人を幸せにできるのか?」 何の力も無い俺が二人を幸せにできるのかと聞かれたら正直自信が無い 「……こういうのをマリッジブルーって言うのか?」 なんか違う気がしないでもないが大体合ってるだろう 「覚悟を決めろ、前を見ろ、最初から無理だと決め付けてたら何もできない」 そうだ、今更うだうだ言っても仕方が無い 「覚悟は決めたようね、それならそろそろ式を始めてもいいかしら?」 「うぉ!?紫さん、後ろからいきなり声をかけないでください それにまだ俺服を着替えてませんよ」 「そういうことなら」 パチンッ! 紫さんが指を鳴らすと俺のジーパン、シャツ、コートの格好がたちまち袴姿になった 「さ、ここからは貴方のステージよ、頑張ってらっしゃい」 「はい、ありがとうございます」 紫さんに頭を下げ準備ができてる霊夢と早苗に向き直り 「霊夢!早苗!二人とも絶対に幸せにするからな!」 「お願いします」 「当然よ」 未来がどうなるかは分からない、だけど俺は二人といっしょに生きていく 12スレ目 936 うpろだ907 「○○、ちょっといいか」 庭の掃き掃除をしている時に神奈子様に呼び止られ、そのまま呼び寄せられるままに納屋のほうへ向かう。 「なんでしょう。何か御用ですか」 「うん、今日は14日だろう。受け取って欲しい、オンバシラポッキー」 「なんだこりゃあ」 それはポッキーというにはあまりにも大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。 それはまさに木塊だった 「それは外箱だ。ちゃんと中身がある」 「そりゃそうですよね。さてどんなのでしょ」 アジャスターケースのような外箱をあけると、数本の棒のようなものがあった。 それは長く、とても長く身の丈程はあろうかと言うほどで、太さも親指より大きそうだ。 「ポッキー、ですよね……。大きすぎやしませんか?」 「ご当地ポッキーだって大きいんだし、これくらいいいじゃないか」 けらけらと鷹揚に神奈子様は笑うが、食べるほうはそれどころではない。 なにせ重いうえに長いのだ。端から食べればチョコレートのかかっていない所にはどうやっても届かない。 しかも太いので大口開けなければ口に入らない。それか齧りとるしかない。 とりあえずチョコレートの付いているほうの端から食べ始める。 コーティングされたチョコレートは意外にも柔らかく厚みもあり、ポッキーと言うよりはフランといったほうが良い。 中のプレッツェルも大きいながら火が通っていて、生ということは無くサクサクしている。 「あ、結構おいしい。でかいから大味かと思ったのに」 「結構とは何だ。でもまあ、気に入ったようでよかったよ」 ――5分後―― 「疲れた……しかも喉が渇く」 「流石に大きすぎたかね」 四半分程度食べきったところで顎が痛くなってきた。 これがもっと細ければ満腹するまで食べられるのだろうが、 大口開けて齧りつかなければならないのだから、どんどん口がつらくなってくる。 「残りはおやつにします」 「それじゃ、後でみんなで食べましょう」 「何を食べるの?」 脇から不意に諏訪子様が現れる。心なしか今日は帽子が大きい気もするが、きっと気のせいだろう。 「諏訪子様どうなさったんですか? 普段はこちらまで来られませんのに」 「んー二人がここに入るのが見えたから、つけてきたんだけどね、」 「尾行せんでください」 「面白い神奈子が見れたよ」 瞬間、神奈子が動く。 左足を大きく出し、右掌底を諏訪子に叩き込もうとする、が、敢え無くガードされる。 「神奈子ったら、いつ反対側に齧りつこうかってずっと見てたのよ」 本当に面白そうに諏訪子が笑う。対して神奈子は顔を抑えてうずくまってしまっている。 「初心な乙女みたいにずっと見てて、見てるこっちが恥ずかしかったわ」 恥ずかしいのか不覚と思っているのかは分からないが、神奈子は返事もせずに、地面にへたり込んでしまった。 なにせ普段とまるで違う神奈子の姿であるから、このまま囃し立てるのが続けばいずれ噴出してしまいかねない。 それでなくても当事者の片割れなのだから、助け舟程度に話を遮っておく。 「えー諏訪子様、それで何用ですか」 「そうそう、これを渡そうと思ってね」 と言うと、おもむろに帽子を取りその中を探る。 幾らかして中から手を出すと、その手には数個のカラフルな卵が握られていた。 「諏訪子、なにそれ?」 「それよりあの帽子の構造のほうが気になるんですが」 立ち直った神奈子が訊く。 「これはあれよ、外国のお祭りで使う、トースターだかコンスタンタンだか……」 「イースターエッグ? ですか?」 「そうそれ。中に何か入ってるから、いいものが入ってたら幸せになれるよ」 何か色々とごちゃ混ぜになっている気がするがまあいい。それより気になったことがある。 「山葵とか入っていませんよね」 「空籤無し、当たりのみだよ」 「それならひとつ」 「ひとつと言わず全部持ってっちゃっていいよ」 「それじゃ私もひとつ」 神奈子様もひょいと一つ摘み上げ、自分とほぼ同時に口に放る。 食べていると違和感がした。口から取り出してみると紙がある。 「大吉?」 「当たり。いいことあるよ」 「辛いッ!」 「神奈子も当たり~」 「山葵じゃなくて辛子ですか」 「ううん、ウィスキー。ストレートで」 ウィスキー? 戦車戦? うん、違うな。 「ウィスキーボンボンは原液使わないでしょう、というかどうやって入れたんですか?」 あれは糖蜜か何かに溶かし込むようにして作ったはずだ、と言うか液じゃあ取扱いが面倒すぎる。 「シリンジでチューっと注入したの、結構いっぱい」 「何故そんなことを……」 「バレンタインだしバランタインを使ってみようと思って」 駄目だこの神様。早くなんとかしないと。 「ま、それより次行っちゃって」 軽い感じでまた手渡してくるが、こちらはオンバシラポッキーのこともあり、すでにおよそ満腹である。 「諏訪子様、すみませんがもう満腹な物で……」 「えーもう食べてくれないのー」 「……それじゃもう1個だけ」 上目使いに潤んだ目は反則だろ常考。 結局、更に2個ほどのエッグを食べたあたりで神奈子様が復活した。 普段なら水無しストレートの一杯ぐらいなら30秒あれば余裕で復活しているのに、 今回大分時間がかかったということは、よっぽど見られたことが堪えたのだろうか。 ちなみにエッグの中身は指輪と鶉の卵だった。 「諏訪子、中に入ってゆっくり話をしましょう」 そう言った神奈子様の声にも表情にも生気は無く、顔も幾らかやつれた風に見えた。 釣られて俺も中に入る。寒明けを迎えたとはいえ、山の上にある神社はやっぱりまだまだ寒いのだ。 「あ、○○さん。結構時間かかってましたね。そんなに汚れてましたか?」 中に入ると、すぐに早苗さんが声をかけてきた。 「いやそれとは別件で」 後ろを親指で示しながら答える。示す先には本殿に向かう神奈子様と諏訪子様がいる。 「何かあったんですか?」 「ちょっと込み入ったことが。これから話し合いだそうな」 「……長引きそうですね」 「きっとそうだろうね」 心配そうに見つめる早苗さんに答える。そこには暗鬱な表情を浮かべる神奈子様がいた。 手を洗い、炉辺で暖をとっていると早苗さんに呼ばれた。 呼ばれた先には濃厚なチョコレートの匂いが漂っている。 正直、またチョコか……という思いで歩を進めていると、 卓の上に鍋とビスケットや果物の類が置いてある皿が見えた。 「チョコレートフォンデュ?」 「はい。先日、秋の神様からドライフルーツをたくさん頂きましたので、それを使ってみようと」 隠れて見えなかった皿には干し芋や干し柿、レーズンに干しりんご、更に栗まである。 「早苗さん、干し芋とかレーズンは違うんじゃないの?」 「一緒に貰いましたし、まあ物は試しです」 意外にチャレンジャーなところのある早苗さん。いや、ゲテモノ趣味か? しかしレーズンの食べにくさはきっとエクストリーム級だろう。 「今何か失礼なこと考えませんでした?」 「イイエソンナコトアリマセン」 女の勘は鋭い。気をつけなければ。 しかしもはやチョコレートの一欠けも腹に入る隙は無いと言うのに、更にこんな物が用意されている。 およそ苦行僧に近い心境で椅子に座る。 「早苗さん、さっきいろいろあってお腹一杯なんだけど」 「えー、じゃあどれくらいでお腹空きます?」 「1時間くらいかな」 不満そうな声を上げるが、猶予の時間をとってくれる早苗さん。 その間にどっか逃げてしまおうかとか考えている駄目な俺。まあ止めておいたほうが無難だけど。 20分ほどしたら小腹が空いたので甘栗をつまみ食いしたら怒られた。 代わりにレーズン食べてなさいと口に放り込まれたが、私はレーズンは好物なのだよ早苗さん。 ……すいません、自分で食べますから、一粒ずつ口に入れるの止めて下さい。 大体1時間過ぎたあたりで、チョコレートを溶かし始めようと、早苗が動き始める。しかし、 「直接火にかけるのはまずくない?」 「やっぱりですか。でもお鍋のままで湯煎も難しいでしょう」 「まあやりにくいだろうけど、大鍋に入れれば何とかならないかな」 「そうですねえ……ああよさそうなのがありました」 そういって早苗さんが持ってきたのは、昔外で使った道具。 そして一般家庭にはまずないであろう道具。 「なぜウォーターバスがこんなところに……スターラーまで」 こうして疑問に思っている間に早苗さんは着々と準備を進めていく。 もう既にウォーターバスに水を入れ終え、スターラーの上に置き、鍋を入れようとしている。 「早苗さん、鍋の下に敷くものがないとスターラーバーに当たるよ」 「あーそうですね。なにかいいものは……」 「四隅に置ければなんでもいいでしょ」 「積み木で平気ですか?」 「溶けたり駄目にならないなら大丈夫だろうけど……」 だから何でそんな物があるんだよ。 かくしてスターラー、ウォーターバス、アルマイト鍋の訳の分からない三段重ねが完成する。 鍋の中身はチョコレートなので真っ茶色だが、それがオイルバスを思い出しどうにも食欲をそそらない。 それを知らない早苗さんは竹串やらフォークやらを持ってきて食べる気満々で座っている。 「○○さん、どうぞ」 俺に対面に座るように示す。 卓を見ると鉢に蓮華が備わっているが、これは根本的に違うような気がする。 食べてみると存外意外なことがあった。 干し芋にチョコレートは意外と合うし、甘栗とはなおさらだった。 果物類とはもともとの組み合わせなので、言うまでも無い。 「○○さん、はいどうぞ」 早苗さんがチョコレートをつけた栗をこちらに差し出してくる。 これは食えということか。 一瞬逡巡するが、ずっとこのままというわけにもいくまいと思い、一息に食べてしまうことにした。 咀嚼する俺を早苗さんがニコニコと見ているが,何か悪い予感を俺の第六感が告げている。 「じゃあ○○さんも」 早苗さんが口をあけて待っている。これは俺にやり返せという事か。 そう思い脇の大皿を見ると、まずバナナが目に付いた。 いや、これはちょっと……ねえ。 「酸っぱいのと甘いのがちょうどいいですねえ」 よく蜜柑を選んだ俺。バナナだったら今頃命は無かったぞ。 そんなやり取りを何度か繰り返しているうちに、こもっていた神奈子様達が出て来た。 神奈子様は大分すっきりした表情、対照的に諏訪子様は幾らかげんなりした風だ。 ナニシテタカナンテシラナイヨ。 チョコレートを囲む卓に二柱が加わり、場は混沌の限りを極める。 「ああ! 甘栗がやられた!」 「落ち着け! 諏訪子、あんたは干し柿食え」 「チョコが減ってきたよ」 「シシカバブ投入」 いいながら、神奈子様がオンバシラポッキーのチョコを削ぐように鍋に入れていく。 「さなえー空いてるところで熱燗あっためていい?」 「あ、私のもおねがい」 場の雰囲気はもはやチョコレートでは無く酒の臭いが支配的になっている。 「結構あったのにもう無くなってきてる」 「まだドライフルーツはありますよ。はいあーん」 出されて思わず食いついてしまったが、今非常に軽率なことをしたように思える。 他二柱の目つきが鋭くなったからだ。 「はい口あけて」 諏訪子様が膝の上に座って、さっきのチョコエッグを口元に押し付けてくる。 「続いていきましょう。あーんして下さい」 早苗さんも肩にしだれかかって干し柿を口に押し当てている。 さっきバナナ食わせとけばよかった。 「やらないか」 神奈子様はもう押し付けてくるのはチョコでなく、酒とかになっている。 もはや脱出するには全て食べ切るより他ないのだろう。 さて誰から食ってやろうかしら。
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ハーレムビートは夜明けまで 登場人物 コメント 高嶋上総による漫画、およびこれを原作とするCDドラマ作品。 角川書店発行の『月刊Asuka』に連載。単行本全5巻、ドラマCD3枚が発売されている。 登場人物 ミカルゲ:国立美景 名前ネタ コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る ↓反映させました。 -- (管理人) 2013-01-12 23 22 28 主人公が魔界の王子なので、エスパータイプが良いと思います。 -- (名無しさん) 2013-01-12 08 51 43
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ハーレム?15 新ろだ240 ドンドンドンドン!! 扉を叩く音が聞こえる。 それに続いて俺の名を呼ぶ声が。 まどろむ意識に鞭を打って扉を開けたらそこには椛がいた。 「おはよう」 「……おはよう」 こちらとしてはたたき起こされたようなものなのでいささか不機嫌である。 知ってか知らずかそんな声にも椛は気にしてはいない様子。 後ろに見える風景はいわゆる銀世界。 幸いにして晴れているが、ここは山なのでいつ傾くかもわからない。 開けっ放しで話すと寒いので家の中へと入れることにした。 「で、用事は。っていうか仕事はどうしたんだ」 「仕事は休みをとった」 「ほう、珍しい」 仕事熱心な彼女にしては変わったことである。 そこまでの用事なのだろうか。 用件を促すと目の前の天狗は少々言いずらそうにキョロキョロと辺りを見ている。 しかし時間の無駄だと判断したのか(実際そのとおりである)意を決して口を開いた。 「クリスマスプレゼント、頂戴!」 吹雪は吹いていないし寒くも無い。 むしろ暖かいほうである。 だが、今確実にこの部屋は凍りついている。 ……こいつは何を言っているのだろうか。 「…………もみじぃ」 「な、何?」 「恥ずかしくないのか……?」 色々と思うところがあるがまずそこが聞いてみたかった。 いっぱしの天狗が、年下である人間に対してクリスマスプレゼントなどというものをもらいたいと思うだろうか。 わかっているのか椛も若干赤面している。 「も、もらえるものはもらっておく主義なの!」 「それはもらえるときに言うものであって自分から言うものではないんだが」 「う、うるさいわね。で、くれるの? くれない?」 この剣幕からしてあげないといったら酷い目にあいそうである。 だが悲しいかな、俺は現実を椛に伝えなければならない。 「今日は――クリスマスじゃないぞ」 「へ?」 さっきの剣幕はどこへやら、ぽかーんと固まってしまった椛。 「クリスマスイブ、いわゆる前夜祭。だからクリスマスプレゼントなんてあるはずがない」 「クリスマス……は明日……?」 「そのとおりだ。残念なことにな」 「そ、そんな……」 沈黙が部屋に満ちる。 椛はうつむいて喋ろうともしない。 内心嘘をつけばよかったのだろうか、とも思うがそれも遅い。 仕方が無いのでお茶を飲み続けることにする。 どうしてこんな朝から重い空気に晒されなければいけないのか。 「……――る」 「ん?」 「し、しし、仕事いってくる!!」 慌てたように叫ぶと、ものすごい勢いで扉を開けて飛び去ってしまった。 今度はこちらがぽかんとする番である。 今日は休みを取ったんじゃあなかったのか。 「…………なんだったんだいったい」 なんだか嫌なことがおきそうな朝であった。 体が震えたのは椛が出て行くときに開け放した扉から入り込んできた外気が原因だと思いたい。 あの後、特に椛の行動は気にせず(無駄なので)今日の予定であった買出しへ。 山の中で生活は色々と物入りなのである。 食料は困るものではないのだが、やはりもう少し色がほしいと欲が出てしまう。 というわけで時々河童の作り物や自分で作った工芸品などを持ってきては売ってお金にしているわけなのである。 無論帰りに河童たちにその分町の物(装飾品とかが好まれているが耐水性に難癖をつけてくる)をあげるのを忘れない。 ギブ&テイクってやつだろうか? そんなわけで売るものを売った俺は買うものを探し町をうろついているわけなのであった。 「くりすますぷれぜんと……ねぇ」 歩いている間浮かんでくるのは朝の椛の言葉。 色々と世話にはなっているし、あげてもいいのだが。 「問題は、何をあげるべきかだな」 クリスマスっぽいものもないし、前々からほしいなんて言ってたものもないし、何あげたらいいかわからないのである。 本来はサンタさんに願って、その願ったものをくれるんじゃあないのか。 ほしいのなら前から言ってくれればいいのに、と思っていると。 「……ん?」 路地の影に見覚えのある後姿。 黒髪と一本下駄、それとそばにいる烏。 「お前そんなところで何やってんだ?」 近づきながら声をかけると一瞬ビクッとして後ろを振り向く彼女。 なんて勿体つけなくても射命丸文そのものである。 文は俺の姿を確認するとホッとしたように息をつく。 「なんだ、○○か……ビックリさせないでよ」 「なんだとはまたご挨拶で。油でも売ってたのか?」 「失敬ね。新聞記者が休むはずが無いじゃない」 単にネタ探しよ。と彼女は続けた。 だがその顔を見る限り収穫はよくないようだ。 「……そういうあなたこそ何やってるのよ」 「俺は何時ものやつだよ」 「ああそう……」 つまらないのか大して興味がなさそうに呟いている。 あんまり見ない表情だ。 「まったく、周りは年末に向けて動いているっていうのにあんたときたら……」 「年末に向けて動いてるならネタにしたらどうなんだ? あと年末に向けてはしっかりと動いてるわアホ」 「できればいいんだけどね。皆去年と同じようなことばーっかりしてるのよ。バカにアホなんて言われたくないわ」 前と同じじゃあつまらない記事になるのよねぇとため息をつく。 愚痴る文はあんまり見たことがないので俺は少し驚いた(もっとも仕事中あまり会わないが)。 アンニュイな表情を見るとなんとか協力してやりたいと思うが同情するぐらいしか方法が無いのが悲しい事である。 まぁ彼女のことだ、同情されたらされたで怒るのだろうが。 「クリスマスイブってのに大変だな」 「…………なに?」 彼女の顔に若干の覇気が戻る。その顔は俺を向いていた。 「どうした?」 「いま、なんて?」 「『どうした?』?」 「そんなありきたりなギャグはどうでもいいわ。その一つ前よ」 「クリスマスイブ、か?」 「そうそれ! ……なにやらネタの匂いがしますねぇ」 まずい、なんかスイッチが入ってしまった。 気づいたら文の口調は丁寧になっていた。 つまりそれは仕事モードということで――! 「そ、そんなことはないぞ? あーきょうははやめにようじをすませていえでゆっくりしようかなー」 完全に棒読みなのが自分でもわかるが四の五の言ってる暇は無い。 とにかく一刻も早くここから離脱しなければ。 そう思い文に背を向け目指すは路地からの脱出! 「まぁまぁまってください。とりあえずお話だけでも」 ○○は にげだした! しかし まわりこまれた! 幻想郷最速は伊達じゃないってことなのか。 「言ってくれなければ体に聞くしかありませんねぇ……」 「なっ――」 そんなことを言いながら迫る文。後ずさりして逃げる俺。後ろは壁。尚をも迫り来る文。 逃げ場は―――なかった。 「大丈夫です。痛くしませんから……」 「エゴだよそれは――!!」 ~少女尋問中~ 「ふぅむ。そんな行事があったんですか……」 「うぅ……汚されてしまった……」 「しかも明日とは……これは急いで書きあげなければ!」 そういうと文はものすごい勢い(当社比200%)で飛び去っていった。 ……デジャヴを感じるのは気のせいだと思いたい。 その後気を取り直し、のんびりと買い物を続けているとこれまた山の住人に出会った。 妖怪の山での二人しかいない片割れである東風谷早苗その人である。 早苗はこちらに気づくと(あの二人には無い!)はにかんだ笑顔を見せてくれた。 「あ、○○さん。どうしたんですかこんなところで」 「それはこっちの台詞だ。お前こそどうしたんだこんなところで」 「勧誘ですよ?」 「ああそう…………」 いい子なんだがここのところは神社の子。 熱心に勧誘しすぎて怪しい宗教かと思われないか不安である。 「○○さんも信仰してくれればいいんですけど……」 「失敬な、一応信仰はしてるぞ」 「信仰パワーが足りないんですよぅ」 「なんだそれ」 「わかりませんか?」 わからねぇよ。 時たまこういう話に持って行きたがるのは勘弁してほしい。 しかもいたってまじめに話してくるからあしらうほうも大変なのである。 山での少ない人間同士、話はよく合うのだが。 「そういえば○○さん。明日、家に来ませんか?」 天狗や河童について話したり山の天気について話していると早苗が突然そう切り出した。 あまりにも突然なので一瞬すんなりと受け入れてしまいそうだった。 一抹の不安を抱え、平静を保ちつつ応える。 「なんだ突然?」 「ほら、明日はクリスマスじゃないですか。ちょっと豪勢なものでも食べようかと思ってまして。 でも家には私を含めて3人しか居ませんし、どうせなら○○さんもって思ったんです」 「天狗とか河童とか呼ばないのか?」 「あの人たちが来るとどうしても酒盛りになっちゃいますし」 困ったように言う早苗は下戸である。 そりゃ鬼のように飲む天狗やそれに応えて飲む神様のなかではそういう顔にもなるだろう。 だからといって3人ではいつもどおり過ぎて色が無い。 と、いうわけで同じ人間である俺を誘ったわけらしい。 「まぁ、別に予定は入ってないし……かまわんが」 「ほんとですか!? ありがとうございます!」 「いや、お礼を言うのはこっちなんだがな」 「それでですね――」 あ、まずい。そんな気がした。一抹の不安が一気に膨れ上がる。 だって恥ずかしそうにする早苗の顔はどこかで見たことがあるようで―― 「――クリスマスプレゼント、期待してもいいですか?」 案の定そのとおりであった。 内心ため息をつくが表には出さない。 流石に頼みごとにため息で返されたらカワイソウだし、見た目同様の年齢だしな。 「そんな豪勢なのは上げられないんだけどな……」 そんな風に応える卑しい俺に対しても早苗は笑顔であった。 出費+1、である。 早苗と分かれた後、町で適当に買い物をして、永遠亭で二日酔いの薬をもらった。 その頃にはすっかり日が落ちかけたので家に戻ろうとその帰路の最中。 「号外――! 号外だよ――――!!」 どこかで聞いたことがある声。 その声は空から降ってきた。 「あぁ○○。丁度よかった」 本日二度目の出会いである文は俺の姿を見つけると降下してきた。 手には大量の新聞紙。 彼女はその新聞紙を一部引っこ抜いて渡してきた。 「……新聞?」 「一応情報提供者ですし。見てもらおうと思って」 自分が教えたものが新聞になるなんてちょっと気恥ずかしいので拒否したのだが、 読めと急かされるので文句を言いながらも読むことにする。 細かいのは割愛するが最後の一文を見て思わず固まってしまった。 『クリスマスの贈り物は告白としても代用されるらしい。思いを伝えられず困っている方は一つ試してみてはいかがか――』 「……おい、なんだこれは」 こんなこと一言も喋ってない。抗議をするが文はあははと笑いながら、 「いやー、実用性が無いとつまらないですからねー」 「伝説に実用性を求めるんじゃねぇ」 「秋の空と乙女の心、ですよ?」 「何小首かしげて言ってんだ別に関係ねぇだろそれに今は冬だ」 「何よ、いいじゃない」 記者モードからフリーモードへと移行した文はむくれて言う。 「ゴシップ記事には面白さが必要なのよ」 「だからといってこれはないだろ」 「恋焦がれる乙女や少年がこれをきっかけに結ばれたらいいことじゃない」 「とらぬ狸の皮算用ってやつだな」 「そういうネガティブな考えは人としてよくないわね」 「天狗に言われたかねぇ」 「天狗だから言うのよ。おっと、私そろそろ行かないと」 確かに仕事の最中だ。 喋って引き止めるわけにはいかない(止まらないだろうけど)。 適当に返事をして二人別々の道へと進む。 「あ、そうそう○○」 後ろからかけられる声に振り返らずに立ち止まる。 本当は逃げ出したかった。 だがその後が怖いのである。 所詮人間とはこのような生き物なのだ。 「私にもクリスマスプレゼントちょうだいね」 嗚呼、悲しいかな予想は大当たりであった。 しかも拒否しづらい帰りの別れ際、絶妙のタイミングで文はそう言ったのである。 おそらくこちらが振り返らないのも計算のうちであろう。 咄嗟に振り返るが文の姿はもう見えなくなっており、ただ冬の景色が広がるだけだった。 結局のところ、三人からそういうお願いをされてしまったわけだ。 しかも最後にいたっては帰り際。この様子ではまた町へと戻る必要があるだろう。 どよんどとした気分から出たため息がむなしく空へと消えた。 新ろだ368 幻想郷の一人歩きを趣味としてからかれこれ何年経っただろうか。死のうと思って始めたことだが、生憎俺はまだ生きている。 思えば歩きだけで色んな場所を巡ったものだ。白玉楼の階段の途中で一夜を越えた事もあるし、永遠亭の竹林で一泊したら焼死しそうになった事もある。 もう少しでいい感じに死ねたのだが、ブレザー着た兔が必死に守ってくれた(死ななかったのに必死とはこれ如何に)おかげでなんとか生き延びた。 妖精を手なずけて凍らせた湖の水の上を歩いたこともある。そうして辿り着いた赤い館では主人と面会し、妙に気に入られて一泊の宿を借りたのはいい思い出だ。 あれ以来、あの主人は快く宿を貸してくれるようになった。宿を頼んでないときでも、時々使いのメイドが俺を館に誘いに来ることもある。メイドも、主人も、俺が訪ねるときはいつもご機嫌だ。 香りに惹かれて辿り着いた向日葵畑。一夜を明かそうと思ったが、寝るには匂いが案外キツくて撤収した。 夜中眠い目をこすってどこか塒を探していた時に出会ったのがその花畑の主人だった。俺の事を痛みが長引く方法で殺そうとしてくれたが、その最中に思い立ったかのように行為を止めて、また宿を貸してくれた。 近くを通りかかった時は一応顔を出すようにしている。「そうしないと死なない程度にいじめるわよ」と言われているからだ。 仲良くなった鰻屋の店主と話してるうちに辿り着いたのが山奥の神社である。 ここでも快く寝床を貸していただき、数日ほど滞在した。そろそろ出ようかと思い始めた日、二柱の神様に酒の席で「娘を幸せにしてやってくれ」なんて冗談を聞いたのが印象に残っている。 そういえば、ここの巫女とは今でもよく偶然に出会う。本人曰く、愛の奇跡だそうだ。 幻想郷の場所という場所は粗方見終えたかなあと思った俺の目の前に現れたのが地底の都。ここでは心を読めるという少女と会った。 彼女曰く、俺の心の中というのは普通の人と大分違うらしい。それで興味を持たれたか、ここでも数日宿を借りた。 滞在中、鬼などを交えて小さな宴会を行った。鬼と酒を飲めば急性アルコール中毒で死ねるかと思った。しかし俺は酒に強かったらしく、結果飲みっぷりで鬼を喜ばす事になった。 数日の後に別れた。また遊びに来ると言った時の少女の表情は、今でもよく覚えている。 今はただ、何処とも分からない森の中をとぼとぼと歩いている。 ───もう少しで日が暮れる。今夜は野宿になりそうだ。 「ふふふ…○○さんってば、我慢しないで神社に来てくれればいいのに…うーん、また奇跡の力で○○さんに会いに行きましょうか…」 「お嬢様の機嫌が良くないのは、きっと○○が来ないからね。どうせその内紅魔館の住人になるんだから、今回は妹様にも会わせてみようかしら」 「○○さん…わ、私と幸せになるまで、絶対に死なせたりしませんから!」 「……最近…アイツ来ないわね……こっちから迎えに行こうかしら……」 「遠く離れていても、○○さんの心の中はすぐに読めてしまいますね。…「さとりに会いたい」ですか。仕方ありませんね、もう…」 五人の女性が、一人の男めがけてやってくる。 この後の彼はある意味、死ぬよりも怖い目を見るのかもしれない。 新ろだ409 新ろだ403の続きです。 朝、味噌汁の匂いで目が醒めた。 この間の一件以来、小傘は料理を覚え始めた。 嫁になろうというのに料理の一つも出来ないのでは情けない、と言って。 最初は危なっかしかった包丁使いも、随分と様になっている。 味のほうもなかなかだ。 何でも、道具達が加減を教えてくれるとか何とか。 そのあたりは、さすが化け道具といったところか。 布団を片付け、着替えて顔を洗い、居間に向かう。 いい匂いがするせいで、腹がぐうぐうとやかましい。 早く駄々をこねる腹を黙らせたいところだ。 居間では、小傘と早苗ちゃんが朝食の準備を終える所だった。 そう、早苗ちゃんも朝から家に来るようになった。 そのためだけに、分社ワープを人の身で習得してしまった。 朝はいつも、おかずを一品持って来て一緒に食べている。 ……つまりは、朝からここは戦場と化すのだ。 「はい、○○さん、あーん」 「あーん」 もぐもぐもぐ ……美味い。 「○○、こっちもあーん」 「あーん」 もぐもぐもぐ ……こっちも美味い。 「それで、今日はどっちが美味しいですか?」 「もちろん私よね?」 「んー……今日は小傘かな?」 「やったー!」 「ううっ、今日は負けましたか…」 「○○、ほら、ほら!」 「ん、あ、ああ」 ちゅ 「ふふ、○○のキスいただき♪」 「あ、明日は私が貰います!」 「はは…」 朝の決闘、それは料理勝負。 美味しかったほうを俺が選び、勝者にキスをする。 最初に引き分けを宣言したときは、二人に揃って怒られた。 最後にもっと重たい判断が待っているのだから、このぐらいは毎回白黒つけなさい、と。 それ以後、毎回きっちり判定を付けている。 そのおかげで、俺は毎日美味しい物を食べられるのだ。 未だにキスするのは気恥ずかしかったりするが。 「さて、あとは普通に食べるか」 「そうしましょう、それじゃ、いただきまーす」 「いただきまーす」 「……むう、小傘、本当に腕を上げてる……」 「ふふふ、道具の声が私を導いてくれるのよ」 「それって、前の持ち主の作り方を教えてくれるってこと?」 「そういうこと。 でも、それで覚えた料理を○○好みに仕上げるのが愛情の見せ所なのよねぇ」 「なんて便利な能力…羨ましい」 「でも、鍋が口うるさくてねぇ。 やれ醤油が小匙一杯足りないだ二分煮過ぎだとか火力を一割落とせとか…」 「そ、それはめんどくさそうね…」 「まあ一長一短ってところよ。 それに、早苗も外の料理を色々と知ってるし、なんだかんだで五分よね」 「ええ、外の料理の知識なら絶対に負けませんよ。 ○○さん好みの物もまだまだストックがありますからね」 「ふふふ、そしてそれを私がラーニング…」 「やっぱり私が不利だー!?」 勝負が終わると、この二人、結構仲がいい。 今みたいに俺が置いてきぼりの会話になることも多い。 ……だが、それもいつかは終わらせることになる。 その時までは、この空気を堪能することにしよう。 「ところで○○さん」 「何だい、早苗ちゃん」 「山にアミューズメントパークが出来たんですけど、次の休みの日、一緒に行きませんか?」 「……え、何が出来たって?」 「カッパーランドです」 「……河童すげぇ」 「私も行きたいけど、次の休みは早苗の日かぁ……」 「わかった、次の休みはそこに行こう」 「はい、楽しみにしてます!」 休日は交互に二人と付き合うことになっている。 次は早苗ちゃんの番だが、普段は一緒に買い物したり紅魔館の図書館で珍しい本を探してみたりといった感じだ。 まあ、娯楽が少ない幻想郷だからね。 そんな幻想郷にも、ついにアミューズメントパークなんてものが出来たらしい。 初めてのデートらしいデート。 次の休みが楽しみだ。 ─────チルノの裏───── もう二人同時進行しちゃうことにした。 ─────チルノの裏───── 新ろだ456 つい先日、魔理沙が地下に行っていたらしい。 「地下には動物がいっぱい居たんだぜ!」 なんて嬉しそうに話しているが、ここは聞き流させてもらおう だって無理矢理連れて来られたんだもん! ちなみに現在午前2時半である そうやって紅茶を飲みながら適当に相槌を打っていると、気になる話が耳に飛び込んできた 「なんか地下には、研究とか言って色々な人に抱きついたやつがいるらしい」 ふーん、地下には抱き枕の研究などと銘打って抱きつく変態がいるのか。 変態も一線を越えれば英雄だよなー 今度魔理沙に送ってもらって会ってみようかな? そんなことを考えていると、魔理沙が不思議そうにこちらの顔を覗き込んできた 「どうしたんだ○○?そんな神妙な顔をして」 「ん?少し考えごt」 と言いながら意識を目の前に向けると…… 魔理沙の顔がどアップになっていた 少し驚いた。が、そこでふと先ほどの話が思い返された そういえばさっき言っていた研究員は、抱き枕について調べていたんだよな すこし真似して"研究"でもしてみるかな…… 何を血迷ったのかそんな考えに至り向き直ると、瞬きをする暇も与えずキスをした 最初はただ唇を重ね合わせるだけのキスだったが、何も言わないのをいいことに舌まで入れた ズキュウウゥン そんな音が聞こえた気がした さすが○○!おれたちにできない事をh「そこまでよっ!」 キスが終わって1分はたっただろうか? まだ魔理沙はこちらの世界に帰って来ていない 「おーい魔理沙さーん」 そういって手を目の前で振ってみるが反応が無い。ただのしかばn と思ったら急に魔理沙の顔は赤くなっていき、口をパクパクさせている わかりやすい反応だなー 「な、ななななな何をいきなりするんだっ!」 「何ってキスの研究だよ。さっき言ってた人みたいにね」 「って!研究…か……」 顔を赤らめていたと思ったら、今度は悲壮感に包まれて黙り込んだ 「おもしろいやつー」 暫らくして立ち上がったと思うと、魔理沙が仲間になりたs ではなく 「別に○○ならいつでもいいんだぜ?」 と顔を赤らめながら言ってきた あーなんだこの展開は?新手のドッキリか? 後ろにスキマ妖怪とか出歯亀なんていないよな? そう思って周りを見回してみるも誰もいない というか魔理沙の家だろここ! などと心の中で一人ツッコミをしていると、背後から急に声が聞こえてきた 「お熱いことで」 後ろを見ると、紫が口元を隠しながらニヤニヤしていた 「なんでこんな時に来やがるんだよ……」 「あらあら、ご挨拶ね」 そう言うが、顔はニヤニヤしたままだった クールな○○○め! などと心の中で悪態をつく 間違っても決して口にしてはいけない ふと魔理沙に視線を戻すと、わずかに震えていた どうしたんだと思い話しかけようとすると、震える声で喋り始めた 「どこから見ていたんだ?」 「「どうしたんだ○○」からね」 殆ど全部じゃねーか!と俺が即答した 「人の恋路を邪魔する奴は消えろおおおおおおおお!」 急にそう叫んだかと思うと、八卦炉を取り出した 「やばい!かつて無いほどシュウシュウ言ってるぞあれ!」 「貴方にデリカシーが無いからよ」 「んなわけあるかぁぁ!」 不毛な言い争いをしているとチャージが完了したらしく、魔理沙がスペル宣言をして…… 「マスタァァァスパァァァクッ!!!!」 「魔理沙!俺にも当たるって!」 本人は気が付いていなかったらしい。どうみても驚いた表情になり 「え?」 と言った 「え?じゃ無くて、うわ!命はお大事にぃぃ!」 そういって○○と紫は光の中に消えていった… と思ったのだが間一髪で紫に助けてもらったようだ まだ目の前がチカチカしている 「大丈夫かしら?"アレ"には当たってないはずだけれども」 「ああ大丈夫だ。そろそろ元に戻ってきた」 そう言って笑っている紫 アレを見て大丈夫なんて流石は○○○! 決して口にしてh(ry ようやく視力が戻ってきたなと思い、しっかり目を開けるとそこには…… 紫のどアップの顔があった なんていうデジャブ!等と考えていると紫が口を開ける 「キスの研究をするんでしょう、○○?」 面食らったがすぐに思い出し 「それもそうだな」 と言って笑い、キスをしようと顔を近づけた が、誰かがこっちに来ているらしくそっちを向いた 「ああもう紫様!あれ程お体を冷やしてはいけませんt」 そこまで言ったところで藍と目が合って、場の空気が凍りついた と思ったら思い出したように捲くし立てて走っていってしまった 「悪いことしたなぁ」 「後でおしおきね」 可哀想にと少しだけ心の中で同情した が、すぐに顔を向き直させられた 「今日は寝かせてあげないわ」 そう言ってまたキスをしようと… (もうスキマ送りにされています。続きを読むにはババァと3回言ってください) チラシの裏 初投稿だったりするが…文才ってなに?おいしいの? HとEROでは単なる変態だが H ( ゚д゚) ERO \/| y |\/ 二つ合わさればHEROとなる ( ゚д゚) HERO (\/\/ 俺の嫁ってパチュリーだよな? なんでこんなSSを書いt(ry どうみても抱き枕の人の影響を受けてm(ry 次回!実践編 ──────────────── 新ろだ458 八雲さんの家の家主が鬼ごっこを主催したんだな。 チームとかカップルとかでの鬼ごっこ。 最初は面白そうだなあっていう気軽な理由で参加したんだ。 それが仇になった。 ―幻想郷チーム鬼ごっこ― ・男女別のチームで鬼ごっこ ・男が逃げる 「それじゃあスタート(はぁと」 ルール無用の残虐鬼ごっこが始まった。 「逃がさないわよ!」 「私から逃れられると思ってんのか?」 「逃げる時間は与えないわ」 「あなたは私に捕まる運命よ!」 「最速の名は伊達じゃないですよ!」 「私から逃げられる者などあまり居ない!」 「あなたの鬼ごっこの腕前なんて私の二割八分六厘にも満たないわ」 「逃げられないのかー」 「棒が倒れたってことは……こっちね」 「目の前の男を消極的に捕まえる方法は、と」 「鬼ごっこだって最強よ!」 「どこに逃げるかなんて……心が自白してるわ」 「狂わして逃げられなくしてあげるわ!」 「私に捕まること、それがあなたの積める善行です」 「あなたを捕まえる奇跡だって起こして見せます!」 「あなたの境界なんて私の手の平の上よ」 ~以下時間の都合上省略~ 「うわああああああああああああ!!!」 一対幻想郷の少女全員。 「捕まえたわ!」 「もう逃がさないぜ?」 「あなたの時間はもう私のもの」 「逃げる運命なんてありえないわ!」 「逃げてもすぐに追いつくんですからね!」 「みょんなとこには逃がさないですよ!」 「百体の人形から逃げられると思って?」 「捕まえたのかー」 「いたただきまーす」 「今日は喘息の調子も良いからこれ以上逃がさないわ」 「捕まえたからもっと最強ね!」 「逃げる算段は無意味よ? 全部わかるもの」 「捕まえた! さぁ狂わしてあがるわ!」 「私から逃げないこと、それがあなたの積める善行です」 「鬼ごっこの常識に囚われすぎましたね!」 「ね? 言ったでしょ。あなたの境界は私の手の平の上」 ~以下時間の都合上省略~ 「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!」 この後○○を誰が○○を捕まえたかを巡る幻想郷の少女全員による戦争が勃発。 結局勝敗はつかず、皆に美味しく召し上がられましたとさ。 おしまい。 ちゃんちゃん。 新ろだ466 引っ越しておいてなんですが、引越しそばネタはなかったよーな 気がしまして…折角だから流し蕎麦という形で導入しよう 「みなさん準備はいいですかー?流しますよー」 「さぁっ!彼のためにも張り切って食べるわよ!ズズズ…」 「お前にあいつの蕎麦は譲らん!負けないぜ、ズズズ…!」 「独り占めするんじゃないわよ魔理沙!上海、黙らせなさい!」 「あはは…慌てなくたってお蕎麦は逃げませんよ。忘れられない素敵な味です」 「喰ってやるー、喰ってやるー」 「こんな蕎麦、アタシが全部喰ってやるわ!」 「ルーミアちゃん、チルノちゃんお行儀が悪いよ…」 「フランドール様、お蕎麦ですよ。彼が作ってくれたものです」 「おいし~い!ほら、美鈴も食べようよ。彼が作ってくれたお蕎麦!」 「…やっぱり本で知るのと直接口にするとではわけが違うわね。美味しいわ」 「蕎麦つゆは鰹節が一番ですよ♪」 「どうぞ、お嬢様。彼の素敵なお蕎麦ですわ」 「ところで、ちゃんと蕎麦つゆに血は入れたんでしょうね?」 「あら、春告精が私の元に来るなんて珍しいわね」 「…」 「あら、差し入れ…?彼から…?ありがたく頂きましょう」 「…♪」 「藍さまー、お蕎麦美味しいです!」 「そうだね、彼に感謝しよう」 「…おいし」 「おいしー♪」 「ふーん、結構いけるじゃない」 「幽々子様、紫様、お蕎麦をどうぞ」 「あら、あなたも食べなさいな。早くしないとなくなっちゃうわよ?」 「ほらほら、彼の手作りお蕎麦がなくなっちゃうわよ~」 「うん、美味しいけどもうちょっと甘口のお汁だといいな」 「今度、屋台にも新メニューでお蕎麦を導入しようかなぁ」 「生きてみるものねー。こんなお蕎麦が食べられるなんて」 「だから、お前には絶対食べさせるもんか!」 「…はぁ。お前らここまで来て食べ物で喧嘩するんじゃない」 「ため息つくと小皺が増えちゃうわよ?あんな二人なんかほっておいて食べなさい」 「よーし、ここで取れるだけ取って後で売却売きゃk…」 「だからやめなさいってば。んー?何でもない、何でもないわー」 「お人形でも食べられるお蕎麦?スーさん、やったね!」 「ふーん、まぁいいわ。私の機嫌を損ねない程度には食べられる蕎麦ね」 「流石にこれに酒は無粋かねぇ…」 「ゆっくり、じっくりと味わいなさい小町。彼の善行の象徴であるお蕎麦を」 「この素敵なお蕎麦への添え物は紅葉がいいかしら穣子」 「あら、添え物なら私にかかれば秋の味覚で何でもごされよ姉さん」 「お蕎麦の美味しさで私の中の厄が洗われていく…すごいわ」 「来てよかったでしょー?人間、もっとちょーだい♪」 「食べ終わったら、彼に詳しくレシピを聞きに行くわよ椛」 「それ以外にも何か目的があるんじゃ…ああっ、お蕎麦取らないでください!」 「蕎麦寄越せ諏訪子!あんたさっきから食べ過ぎじゃない、この牛ガエル!」 「あんだとー、ただじゃやらないよ神奈子!胸にばっかり栄養が行くくせにー!」 「お二人ともお行儀が悪すぎです!折角のあの人の手作りお蕎麦なのに…はぁ」 「今度蕎麦つゆに有頂天の桃の果実を混ぜてみようかしら」 「総領娘様、それは無粋すぎます」 「キスメ、ちゃんと食べてる?遠慮しなくていいんだよ」 「うん…ツルツル」 「妬ましいわ、美味しすぎて」 「ほーれ、酒と一緒に頂こうかね」 「よーし飲め飲め、ほれほれ歌え歌えー!」 「いやぁ~、こいつは美味しいねぇお空」 「ズズズズ…んぐ!?んぐ、んぐぅ、んぐぐぅ~!!」 「こいし、慌てずによく噛んで食べるのよ」 「でもこれ、ほんとに美味しいのよお姉ちゃん!」 番外 「ねぇここなの?例の人間が人妖にお蕎麦を振舞ってる現場って」 「ここよ、間違いないわ!ほらいるいる、個性と言うか灰汁の強いメンツが…」 「作戦開始ね。お蕎麦いただきます作戦、行くわよ!」 「下界でもそれなりの料理人がいるとは思いませんでした…」 「依姫、頬が緩みすぎよ。まぁ、私も気に入ったんだけど」 新ろだ478 「○○、やったね!」 「おめでとうおにーさん!」 「ああ、これも二人のおかげだ!ありがとう!本当にありがとう!」 橙とお燐、そして俺。三人で喜びを分かち合う。 ついにこの能力を獲得することができた。これで色々できる! で、それが何かと言えば。 『猫に変化する能力』である。 思えば長かった。数ヶ月に及ぶ修行の甲斐あってとうとう自在に猫に変化するところまできた。 ただ、欠点もある。 猫に変化していられるのは最長10分である。 これは仕方がない。そもそも俺はただの人間である。こんなことができるだけでも奇跡に近い。 というか、最初に三人で修行し始めた時はほぼ何の成果も上げられなかった。 ある時紫さんが現れて 「おまじない☆」 とかなんとか言って指をくるくる回してなんかポーズとってた。バックに星が散ってた気がする。演出? 多分何かの境界をいじったんだろう。 それからというもの、次第に猫に変化するコツというか、何かをつかむことができた。 はじめは1分ももたなかったが、うまくコントロールできるようになり、10分間の変化が可能になった。 そして今に至る。 「ところでおにーさん、猫になれるようになったのはいいとして。それを一体どういう風に使う気だい?」 「そうそう、それ聞きたい!」 「そういえば言ってなかったな。俺は猫に憧れてたんだよ。自由で、気楽で。もちろん猫には猫の苦労があるだろうけどね。ま、これは表向き」 「で、ほんとはどうしたいのさ?」 「ん、悪戯」 「…は?」 「だから、い・た・ず・ら☆」 「…○○、紫さまに変な境界もいじられちゃったんだね」 「…なんのためにこんな苦労したのかわかりゃしないよ」 「「はぁ~…」」 「何その顔。猫ってそういうもんじゃないの?第一悪戯云々は最初から俺の意志だ」 「余計タチが悪い!」 「ふふっははは。まぁまぁ、今度気の済むまで遊んであげるからさ」 「それだけじゃ足らないよ。一週間くらいはずーっと遊んでもらうんだから!」 「う…。まあ仕方ないか…」 これだけ手伝ってもらったんだから当然か。 約束をして別れた。 いやーしかし、これで色々できるなぁ。別にそこまでよ!みたいなことするわけじゃないくてな、ほんとにただの悪戯心だ。 まあ多少はやるかもしれんが。ていうかやります、グレイズギリギリまで。 さーて、明日から実行に移しますか。 翌日。昼前に家を出て博麗神社へ向かった。 「おーい霊夢ー」 「あら○○、いらっしゃい」 「今日はちょっと見せたいものがあってきたんだ」 「何かしら?」 「霊夢さん…見ててください、俺の…変身!」 「な、何?」 決めポーズをとり、あたりが煙に包まれる。 「にゃあ(ふはは、どうだ)」 「…猫? ていうか、○○なのね?」 「にゃ!(もちろん!)」 当然人間の言葉は今は話せないから鳴き声で応えるしかない。ちなみにアメショに変化した。普通の雑種でもよかったが幻想郷にいない種類のほうがいいかな、と思ってのことだ。術は意思の力である。シャムも捨てがたかったけど。 すると突然抱き上げられた。 「にゃ!?(うおっ!?)」 顔を指でつつかれたり腹を撫でられたりする。気持ちいいけどこそばゆいな、これ。 っとと、このまま懐柔されるわけにはいかん、リベンジだッ! 舌で霊夢の頬を舐めてみる。 「きゃっ!?」 突然のことに可愛い悲鳴を上げる。 「にー(俺の舌技はいかがかね)」 「あ、あんたねえ…。あー、その姿だとちょっと怒れない…」 続けて鼻同士をくっつけてすりすりしてみたりとか肉球で頭をぽふぽふしてみたりした。 しばらく悪戯したりされたりの時間が続く。 で、すっかり忘れてた。持続時間。 瞬間、人間の姿に戻った俺と霊夢の鼻同士がくっついたまま、至近距離もいいところである。 「あ、あ、あ」 「あー」 「あーーーっ!!」 全力で殴られた。愛が痛いぜ。 「なぜ殴るか」 「殴るわっ!」 おぉ、ひどいひどい。 まあいいや、これで猫になっていれば俺だと知っていてもあまり乱暴なことはできない、と。 しかし持続時間には気をつけなければ。 しかし猫化中の時の霊夢の顔、可愛かったなあ。 あんな表情見たことなかったぜ…。迂闊にも見とれてしまったのは内緒にしとこう。 さあ次だ次。 次はえーと、地霊殿方面でも行ってみるか、こっから近いし。 「あっ、ちょっと待ちなさいよ、どこ行くの!」 「じゃーなー霊夢、愛してるぞー」 「え、あ……」 ボーッとし始めた霊夢を後にして地霊殿へと続く穴へ向かう。 相変わらず寒いな、ここ。 しばらくまっすぐ歩き続ける。 やがて橋が見えてきた。と同時にお目当ての人物を見つけた。 「おーい、パルパルー」 「変な呼び方しないでちょうだい、気さくに呼ぶなんて妬ましい」 「まあそうカリカリするな、今日は是非見てもらいたいものがあってな」 「何よ?」 「ふふふ、見て驚け」 「変…身!」 煙と共に猫が姿を現す。 「…○、○なの?」 「(こくり)」 そして一目散にパルスィの胸に飛び込む。目標ぱるおっぱい! 「ちょっ!」 パルパルさんあったけぇ。霊夢に負けず劣らずいい匂いするし。妬ましい! 「…○○?」 「んむー?(なんだ?)」 「あなた猫になってまで私にこうしたかったのかしら?妬ましいわ、あなたの情熱が」 「にゃ!?(い、いや、確かに悪戯はするつもりだったがあくまで猫になるって手段が(ry ていうかどうしたんだ急に?)」 え、ちょ、なんで頬紅いんですか?腕に力入っちゃってるよ! 逆にパルスィが俺を離そうとしてくれない。このままじゃまずい、変化が解けたらまた痛い目に合う。俺の頬に紅葉が浮かんでしまう。 そして抵抗もむなしく変化が解けてしまった。 「ふふ、○○……」 「あの、パルスィ」 「なぁに?」 「嬉しいんだけどそろそろ離してもらえないかな……」 「嫌よ、このまま離したら手を離してしまった自分が妬ましくなるもの」 「あ、あー…」 「私はね、○○。あなたがここに来る日がいつもいつも、待ち遠しかったの」 「パルスィ……」 「ふふ、でもたまには猫もいいわね」 ミイラ取りがミイラになった、とは違うが。ううむ。 しかしパルスィがここまで積極的だとは思わなかったし、今こうして彼女に抱きしめられているとどうでもよくなる。 あったかい。寂しかったのかな、俺は。 もっと強く、パルスィをこの身で感じていたい。 その頃の霊夢 「ちょっと何よあいつら!人が追っかけてきてみたらあんなとこで堂々とイチャついて!妬ましい!」 あとがき 途中で力尽きた。誰メインなのかわかんないし。 糖分は少ない、と思う。